台湾最新ニュース(2025年12月13日)

  
 

■ 記事①:台湾南部・台南に最先端「主権AI」クラウドセンター開設 — 国家戦略の転換点

台湾政府は12月12日、南部・台南市に国家戦略の中核となる最先端のクラウドコンピューティングセンターを開設した。

施設は総電力15メガワット級のインフラを備え、台湾最大のスーパーコンピューター「Nano 4」を稼働。AI 演算向けに約1,760基の Nvidia H200 チップおよび144基の Blackwell チップを搭載し、AI 開発・クラウドサービス・デジタルコンテンツ創出の強化を目的としている。

台湾の賴清德(ライ・チンテ)総統は開設式で、これまでの「ハードウェア製造中心」から「AI 技術先進地」への転換を目指すとの方針を強調した。

台湾は今年7月、「十大 AI インフラ計画」を発表しており、このセンターはその中核プロジェクトの一つと位置付けられている。政府は同計画を通じて、インターネット・通信・データ処理の高度化や企業・研究機関との連携を進め、AI 人材育成や国際競争力の強化につなげる意向だ。半導体製造大手 TSMC を始め台湾企業は、世界的な AI サプライチェーンに組み込まれており、今回新設されたクラウドセンターが国内外の研究・産業界のハブとなることが期待されている。


出典:Reuters「Taiwan opens new cloud centre to bolster 'sovereign AI' effort」Reuters


■ 記事②:世界最大請負電子企業フォックスコン、高雄本社に約510百万ドル投資

世界最大の請負電子製造企業である フォックスコン(Foxconn) は12月12日、台湾南部の高雄に新本社を建設するため約15.9億台湾ドル(およそ5億1000万米ドル)を投資すると発表した。新本社敷地には商業・オフィス棟や居住棟が整備される予定で、2027年に着工、2033年の完成を目指す。

フォックスコンはこの本社を南台湾地域の主要戦略拠点と位置付け、スマートシティ関連プロジェクト、ソフトウェア研究・開発、電池セルの研究、電気自動車(EV)技術開発、そして AI 応用ソフトウェア開発チームを集結させる計画を掲げている。

高雄市政府によれば、この 3 年間ですでにフォックスコンの投資総額は約 250 億台湾ドルに達しており、地域経済における同社の影響力は拡大している。

今回の発表は、台湾が南部地域でも高付加価値産業の育成に積極的であることを示すもので、これまで台北や新北市に集中していたハイテク産業の拡大・分散につながる可能性がある。また、新本社には地域の雇用創出や関連産業の発展の波及効果が期待されており、日本企業との技術協力や共同研究の機会も増える可能性がある。


出典:Reuters「Foxconn to invest $510 million in Kaohsiung headquarters in Taiwan」Reuters


■ 記事③:台湾株式市場、AIサプライチェーン期待で来年にも最高値圏に

台湾の株式市場がAI 関連株の買い意欲を背景に活況を呈しており、2026 年には基準指数が 30,000 ポイントを突破する可能性が高いとの見方が投資家の間で広がっている。

テクノロジー関連株を中心とした指数は過去 3 年でほぼ 2 倍に成長しており、特に AI 演算に不可欠な GPU や TPU のサプライチェーンで重要な役割を果たす台湾企業への期待が高まっている。

TSMC、フォックスコン、Elite Material などの主要銘柄が投資家から支持され、企業収益の堅調さとバリュエーション(株価収益率)が米国や日本の主要市場より低い水準にあることも強気材料とされている。外資系投資家の一部は短期的な利食い売りや米中貿易不安を懸念して資金引き揚げを行っているが、国内投資家の積極的な買い姿勢が市場を支えている。アナリストの中には、AI 需要が構造的に強く、台湾の技術産業は競争力を維持すると評価する向きもあり、グローバル AI インフラ投資の拡大が市場を後押しするとみられている。


出典:Reuters「Ignoring AI bubble fears, investors bet Nvidia and Google will fuel Taiwan stocks to record」Reuters


■ 記事④:台中に世界水準の美術館オープン — 芸術・文化観光の新名所に

台湾中部の台中市で、新しく設計された 台中アートミュージアム(Taichung Art Museum) がオープンし、初の大型展覧会「A Call of All Beings」が始まった。

美術館は日本の建築事務所 SANAA(妹島和世・西沢立衛)と台湾の Ricky Liu & Associates が共同で設計し、図書館と現代美術館を融合したユニークな複合施設として注目を集めている。

屋上スカイブリッジや浮遊階段、複雑な動線設計などが特徴で、訪問者は「道に迷うこと自体を楽しむ空間」としての体験も提供されている。開幕展では韓国や台湾のアーティスト作品に加え、『星の王子さま』初期スケッチやヘレン・ケラー資料も展示され、幅広い来館者層を引きつけている。

台中市はこの施設を 国際的な芸術拠点に育てたいとしており、従来台北中心だった台湾の文化観光の裾野を広げる狙いだ。政府関係者や芸術界は、この美術館が今後 国際的なアートファンや観光客の誘致に寄与する可能性に期待を寄せている。


出典:The Guardian「‘Getting lost is good’: skybridge and floating stairs bring fun and thrills to mighty new Taiwan museum」衛報


■ 記事⑤:中国軍活動増加 — 台湾国防部が警戒レベルを維持

台湾国防部は12月11日、中国人民解放軍の航空・海上活動が活発化しているとして警戒を継続していると発表した。

報道によれば、同日朝までに PLA(中国人民解放軍)機が 27 回の戦闘機発進(sorties) を行い、空軍機の多くが台湾海峡中間線を越えて台湾防空識別圏(ADIZ)内へ進入した。また、複数の海軍艦艇が周辺海域で行動している模様だとして、国防部はリアルタイムで監視と対応を続けていると説明した。

台湾側はこれらの動きを「定例的な訓練と偵察活動」として評価しつつ、地域の安全保障環境に影響を与える可能性を指摘。国際社会も海空域での一定水準の透明性確保を求める声が出ている。台湾政府は地域の安定を重視し、防衛体制の強化や同盟国との情報共有を進める方針だ。


出典:WebIndia123「Taiwan detects 27 Chinese sorties, 6 vessels around nation」news.webindia123.com