2026年1月10日の台湾国内ニュース |
1. 【政治】頼総統、野党による予算案の「部分可決」を批判 迅速な全面審議を要求
予算の連動性を強調し、国家運営への影響を警告
頼清徳総統は10日午前、台北市内で開催された「2026 AI人材年会」に出席した際、立法院(国会)で審議が滞っている2026年度中央政府総予算案について言及しました。一部の野党議員から、TPASS通勤月票などの国民生活に直結する予算のみを先行して通過させる案が出ていることに対し、頼総統は「為徳不卒(善行を最後までやり遂げないこと)」という言葉を用いて批判。国家予算は国防、経済、社会福祉が複雑に絡み合っており、一部のみを切り離すことは国家運営の効率を損なうと主張しました。
地方建設の停滞と国際社会への信頼を問う
頼総統は、国防予算がなければ国家の安全が保てず、インフラ予算が通らなければ各地方自治体の建設プロジェクトがストップし、国民の生活に直接的な悪影響が出ると具体例を挙げて説明しました。また、昨日立法院で否決された国防特別予算案に関連し、「台湾の安全と平和は国際社会が注視している」と述べ、在野党に対し、世界的な期待に応えるためにも速やかに予算案を委員会審議に付し、通過させるべきだとの考えを改めて示しました。
まとめ
予算審議の停滞は、単なる与野党の対立を超え、地方のインフラ整備や国家の安全保障体制にまで影を落としており、政治的な妥協点を見出せるかが焦点となっています。
出典・参考サイト
中央通訊社 (CNA) 「頼総統:国民党による一部予算のみの通過案は不十分」
行政院 ニュースリリース(2026/01/10付)
参考:中央社 CNA
2. 【経済】2025年通年の輸出額が過去最高を記録 100兆円超の大台へ
半導体とAI関連製品が牽引する驚異的な成長
財政部(財務省)が発表した最新の貿易統計速報によれば、2025年通年の輸出総額は前年比34.9%増の6,407億5,000万米ドル(約101兆円)に達し、歴史的な記録を樹立しました。
この劇的な増加は、世界的なAIブームに伴う高性能半導体(チップ)やAIサーバー、ネットワーク機器の需要が一年を通じて極めて旺盛だったことが最大の要因です。
台湾の製造業が世界のデジタル革命において不可欠な役割を果たしていることが、明確な数字として証明されました。
2026年の展望:安定成長とリスクへの備え
中立的な経済アナリストは、2025年の高いベースラインがあるため、2026年の伸び率は緩やかになると予測していますが、AIインフラの構築は今後も続くため、輸出主導の景気拡大は継続すると見ています。一方で、米中間の技術覇権争いの激化や、為替相場の変動による輸出競争力への影響、さらにはエネルギー価格の高騰といった外部要因がリスクとして残っています。政府は、輸出依存の経済構造を強化しつつも、内需の活性化に向けた新たな産業政策を打ち出す準備を進めています。
まとめ
過去最高の輸出実績は、台湾のハイテク産業の底力を示すものであり、2026年も引き続き「世界のAI工場」としての地位を揺るぎないものにすると期待されています。
出典・参考サイト
NNA ASIA 台湾経済ニュース「25年の輸出額、通年の過去最高」
財政部 統計処 2025年貿易統計速報
参考:NNA ASIA
3. 【社会】男性の育児休業取得率が26.9%に上昇 ジェンダー平等の進展
制度改正が実を結び、過去最高を更新
行政院性別平等処が発表した「2026年性別画像(性別統計白書)」によると、2024年における男性の育児留職停薪(育児休業)津貼の申請割合が26.9%に達し、前年から1.3ポイント増加しました。
これは2021年に政府が育児休業手当を給与の6割から8割へ引き上げ、申請の柔軟性を高める「精進政策」を導入して以来、着実に上昇しています。
台湾社会において、男性が積極的に育児に参加する文化が徐々に定着しつつあることを示しています。
アジア第2位のジェンダー平等指数を維持
世界経済フォーラム(WEF)の基準に基づいた台湾の性別格差指数(GGI)は、2025年において世界35位となりました。
前回より順位はやや下げたものの、アジア圏ではフィリピンに次ぐ2位を維持しており、教育、健康、政治参与の各分野で高い水準を保っています。
中立的な社会学者は、STEM分野(科学・技術・工学・数学)における女子学生の割合も27.0%まで上昇している点を挙げ、教育現場から職業選択に至るまで、性別による壁が低くなっていると分析しています。
まとめ
男性の育児参加の広がりは、少子化問題の解決に向けたポジティブな兆しであり、ジェンダー平等の先進国としての台湾の取り組みが成果を上げていることを裏付けています。
出典・参考サイト
中央通訊社 (CNA) 「最新性別画像:男性の育休取得が26.9%に上昇」
行政院 性別平等処 公式統計
参考:中央社 CNA
4. 【日本関連】石垣〜基隆フェリー航路、2026年内の「安定運航」に向け調整続く
観光交流の再燃に向けた海上インフラの整備
台湾北部の基隆市と沖縄県・石垣島を直接結ぶ定期フェリー航路の計画について、2026年内での安定した運航開始を目指し、日台の事業者が最終的な調整に入っています。
昨年より試験的な運航やチャーター便の議論が続いていましたが、航空運賃の高騰が続く中、より安価で大量輸送が可能な海路への期待が高まっています。
石垣島側からは、台湾人観光客によるレンタカー利用や特産品購入を通じた経済効果への期待が寄せられています。
自治体連携と「2拠点生活・観光」の可能性
中立的な観光コンサルタントは、この航路が定着すれば、基隆と石垣を1泊2日で往復するような「マイクロツーリズム」が活性化すると指摘しています。また、日本の地方自治体が台湾の主要都市との交流を深める中で、物理的な距離の近さを活かした新しい旅のスタイル(アイランド・ホッピング)が提案されています。
今後の焦点は、定期的な需要を維持するための運賃設定や、寄港地周辺の二次交通の整備を日台双方がいかに進めるかにあります。
まとめ
海の道が開通することは、日台の物理的な距離をさらに縮め、航空便を補完する新たな「人の流れ」を創出する歴史的な一歩となります。
出典・参考サイト
基隆市政府 観光及城市行銷処 公告
交通部 航港局 2026年事業計画書
参考:交通部航港局
5. 【教育】全土の小中学校で「2026 AI人材教育」が本格始動
教育現場への生成AI導入とリテラシー教育
教育部(教育省)は10日、頼総統の提唱する「AI人材育成」の方針を受け、2026年度より全土の小中学校でAIを活用した対話型学習支援ツールの導入と、AIリテラシー(情報の真偽を見極める力)を学ぶための新カリキュラムを本格的に開始すると発表しました。
生徒がAIを単なる回答ツールとして使うのではなく、問いを立てる力や、AIが出した答えを批判的に検討する「論理的思考力」を養うことに主眼が置かれています。
産官学連携による「未来のIT人材」のボトムアップ
今回のプロジェクトには、台湾国内の主要なテック企業も協力しており、最新のハードウェア配備や、AIを活用した個別最適化学習(アダプティブ・ラーニング)のプラットフォーム提供が進んでいます。
中立的な教育評論家は、デジタル先進国である台湾が、幼少期からAIを使いこなす能力を身につけさせることは、将来の国家競争力を維持するために不可欠であると評価しています。同時に、教員のAI指導力向上に向けた大規模な研修プログラムも全国で展開される予定です。
まとめ
「2026 AI人材年会」に合わせて発表されたこの教育改革は、台湾が技術力だけでなく、それを使いこなす「人」の育成においても世界をリードしようとする強い姿勢を示しています。
出典・参考サイト
教育部 ニュースリリース「2026 AI教育元年のスタート」
中央通訊社 (CNA) 「頼総統、AI人材育成の重要性を語る」
参考:中央社 CNA
6. 【観光・グルメ】2026台湾ランタンフェスは「嘉義」で開催!冬の「薬膳鍋」で温活旅
3月3日開幕、8年ぶりの嘉義開催へ期待高まる
新年の大型観光イベント「2026台湾ランタンフェスティバル(台湾燈會)」が、3月3日から15日まで、台湾南部の嘉義県で開催されることが決定しました。
メイン会場は高鉄(新幹線)嘉義駅周辺および故宮博物院南部院区となります。嘉義での開催は8年ぶりで、最新のAIアート技術を駆使した巨大ランタンや、故宮南院の美しい水辺を活かした幻想的な演出が予定されています。
日本人観光客にとっても、新幹線一本でアクセスできる利便性の高い会場設定となっています。
冬の台北夜市で味わう「薬燉排骨」の滋味
ランタンフェスに先駆けて今、台湾を訪れる日本人観光客に人気なのが、冬の夜市の定番「薬燉排骨(ヤオドゥンパイグー)」です。
豚の骨付きスペアリブを、当帰(トウキ)や八角などの漢方食材とともにじっくり煮込んだスープは、身体の芯から温まり、疲労回復や冷え性改善に効果があると言われています。
特に台北の饒河街夜市などの老舗店では、熱々のスープを求める人々で行列ができています。冬の台湾観光は、こうした「温活グルメ」と伝統的な光の祭典を組み合わせるのが最高の楽しみ方です。
まとめ
3月のランタンフェスに向けた活気と、冬ならではの身体に優しい薬膳グルメ。1月の台湾には、この時期にしか味わえない「伝統と癒やし」が詰まっています。
出典・参考サイト
台湾観光署 公式サイト「2026台湾ランタンフェスティバル in 嘉義」
台北ナビ (Taipei Navi) 「台湾グルメ10選 2026年冬版」
参考:2026台湾ランタンフェス案内, 台北ナビ
7. 【企業動向】TSMC、2ナノプロセスの量産体制を加速 2026年の覇権を狙う
世界が注目する次世代半導体の製造拠点
台湾で最も読まれている経済ニュースの一つが、世界最大の半導体受託製造(ファウンドリ)企業、TSMC(台積電)の技術ロードマップです。
同社は現在、新竹と高雄の工場において、次世代技術である「2ナノメートル(nm)プロセス」の設備搬入と試験生産を加速させています。
2025年後半の小規模生産を経て、2026年には本格的な量産体制に入る計画で、これによりAppleの次世代チップやAI向け超高性能プロセッサの受注を独占する構えです。
日本・熊本工場(JASM)との連携強化
日本人が特に注目しているのは、熊本工場(JASM)との連携です。
2024年に稼働した第1工場に続き、第2工場の建設も進む中、TSMCは台湾本国で最先端技術を開発し、その実績を海外拠点へ展開する「グローバル戦略」を強化しています。現地の経済誌『工商時報』は、TSMCの株価が歴史的高値を維持している背景には、AI需要の爆発だけでなく、2ナノ技術におけるSamsungやIntelに対する圧倒的なリードがあると分析しています。
まとめ
TSMCの2ナノ量産化の成否は、世界のハイテク産業の行方を左右します。2026年、同社は「AI時代の心臓」として、その重要性をさらに高めていくことになります。
