2025年12月26日の台湾国内ニュース

  

1. 【政治】頼清徳総統、河野太郎元外相らと会談 防衛予算の引き上げを表明

「実力こそが平和の保証」国防強化への決意

頼清徳総統は26日、総統府で日本の河野太郎元外相率いる国会議員団と会談しました。頼総統は、地域の平和は「侵略者の善意に頼ることはできず、自らの実力こそが最大の保証である」と強調。2026年度の国防予算をNATO基準の対GDP比3%超に設定したことに加え、2030年までに5%まで引き上げる目標を初めて明言しました。これにより、今後8年間で約1兆2500億台湾元の国防特別予算を投入する計画です。

経済安全保障とCPTPP加盟への協力要請

会談では、AIや半導体分野での日台協力も大きなテーマとなりました。頼総統は「台湾のAI・半導体の強みと、日本の素材・装置の強みを合わせれば、ウィンウィンの関係を築ける」と述べ、日台経済連携協定(EPA)の締結やCPTPPへの台湾加盟に対する日本の継続的な支持を求めました。これに対し河野氏は、TSMCの日本進出が順調であることを評価し、投資や観光など多方面での交流拡大に期待を寄せました。

まとめ

今回の会談は、中国による圧力が増す中で、安全保障と先端技術の両面において日台がかつてないほど緊密に連携していることを内外に示すものとなりました。

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2. 【経済】台湾・閣議決定「国家の尊厳を守る」訪中制限を強化へ

総統・副総統経験者らの活動を厳格化

行政院(内閣)は26日の閣議において、総統や副総統、閣僚経験者らが中国を訪問する際の制限を強化する「両岸人民関係条例」の改正案を決定しました。今回の改正では、国家の尊厳を著しく損なう行為(中国側の政治的シンボルへの礼拝や宣誓など)への参加を厳禁とし、違反した場合には年金の受給停止や罰金の科付など、これまで以上に厳しい罰則を設けています。

民主主義の価値保護と法治の徹底

卓栄泰行政院長は、この措置について「個人の自由を制限するものではなく、国家のアイデンティティと民主主義の根幹を守るためのものだ」と説明しました。中立的な専門家は、退職高官の訪中が政治的に利用されるリスクを回避する狙いがあると指摘しています。一方で、対話の窓口を閉ざすべきではないとする慎重論も野党側には根強く、法案が立法院(国会)で審議される際には、安全保障と個人の権利のバランスを巡る議論が予想されます。

まとめ

台湾政府は、外部からの政治的宣伝工作に対抗するため、公的な経歴を持つ人物の振る舞いについて法的な枠組みを強化し、国家の尊厳維持を図っています。

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3. 【社会】台北メトロ、無差別襲撃を想定した大規模訓練を「市政府駅」で実施

蔣万安市長が視察、即応体制を強化

台北市政府は26日、台北メトロ(MRT)市政府駅において、刃物を持った暴漢による無差別襲撃を想定した実戦訓練を実施しました。訓練では、駅職員による通報、防犯装備(さすまた等)を使用した初期対応、そして警察の特殊部隊による容疑者の制圧までの一連の流れを確認。視察した蔣万安市長は、先日の襲撃事件を受け、来年以降もこうした訓練を定期的に行い、市民が安心して利用できる環境を整えると強調しました。

テクノロジーと人の連携による防犯網

今回の訓練では、駅内のAIカメラが異常を検知し、瞬時に指令センターへ情報を送るシステムのデモンストレーションも行われました。中立的な視点からは、ハード面の強化だけでなく、現場職員の心理的準備や、乗客の避難誘導の熟練度が被害軽減の鍵となることが再確認されました。台北市は今後、全ての主要駅において、警備員とボランティアの連携を強化する「動的警備モデル」を導入する計画です。

まとめ

台北駅周辺での事件を受け、当局は「訓練の常態化」と「先端技術の導入」を両輪として、公共交通機関の安全性を最高レベルまで引き上げようとしています。

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4. 【日本関連】台南市、2026年元旦より「日本の友好都市」と観光施設を相互優遇

自治体外交の新たなモデル:市民同等の優待

台南市は26日、日本の友好都市(仙台市、日光市、みなかみ町、富士宮市、加賀市、青森県、弘前市など)と連携し、2026年1月1日から「観光施設入場料の相互優遇制度」を開始すると発表しました。台南市民がこれらの日本都市を訪れる際、指定の施設で割引を受けられるだけでなく、日本側の市民も台南市内の赤崁楼や安平古堡といった主要史跡において、台南市民と同等の優待価格で入場が可能になります。

観光から「市民レベルの連帯」へ

これまでの自治体交流は当局間が中心でしたが、今回の制度は市民一人一人が恩恵を実感できる点が画期的です。台南市の黄偉哲市長は「これは日台の強い絆が生んだ、都市外交の新たなマイルストーンである」と述べています。中立的な観光専門家は、インバウンド需要が回復する中で、こうした特定地域間の優遇制度が、リピーターの獲得や、知られざる地方都市の魅力再発見に繋がると高く評価しています。

まとめ

台南市と日本の地方都市が開始するこの試みは、日台の「草の根の友情」を実質的な経済・文化交流へと昇華させる重要なステップとなります。

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5. 【教育・科学】台東県、宇宙から帰還した「宇宙赤キヌア」の初収穫を報告

宇宙農業の知見を地元の伝統作物へ

東部・台東県政府は26日、国家宇宙センター(TASA)と協力し、国際宇宙ステーション(ISS)での飛行を経験した種から育てた「赤キヌア(台湾キヌア)」の1代目、約20グラムを収穫したと発表しました。赤キヌアは台湾原住民族の伝統的な栄養源であり、「森のルビー」とも呼ばれます。宇宙の特殊な環境(微小重力や放射線)を経験した種が、地上の栽培にどのような変化や耐性をもたらすかを研究するのが目的です。

次世代へのインスピレーション

収穫されたキヌアは、今後さらなる研究が進められるとともに、地元の学校教育においても「宇宙科学と農業の融合」を学ぶ教材として活用される予定です。中立的な科学教育者は、身近な農作物が宇宙を旅したという事実は、子供たちの科学への好奇心を刺激する強力なツールになると指摘しています。台東県は、この「宇宙ブランド」を通じて、伝統農業の付加価値向上と、過疎地域の活性化も視野に入れています。

まとめ

宇宙を旅した「赤キヌア」の収穫は、台湾の宇宙技術と伝統的な地域産業が交差する、夢と実益を兼ね備えた革新的なプロジェクトとなっています。

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6. 【観光・グルメ】寒波到来!台北・北東の「北投温泉」で楽しむ足湯と薬膳スープ

気温15度の台北、復興公園の「無料足湯」が活況

大陸からの強い寒気団の影響で、26日の台北市は最高気温が15度前後まで低下しました。この冷え込みの中、温泉地として名高い北投区の「復興公園」にある公共足湯施設が、温かさを求める市民や観光客で賑わっています。無料で利用できる3つの池には、北投特有の「青硫黄泉」が引かれており、血行促進や疲労回復に効果があると評判です。冬の台北観光において、歩き疲れた足を癒やす最高のスポットとなっています。

冬の夜市に漂う香り、薬膳スペアリブスープ「薬燉排骨」

寒さをしのぐための最強グルメといえば、夜市で定番の「薬燉排骨(ヤオドゥンパイグー)」です。十数種類の生薬と骨付き豚肉をじっくり煮込んだこのスープは、一口飲めば身体の芯からポカポカと温まります。特に饒河街夜市などの老舗店は、冬の夜には行列ができるほどの人気です。漢方の独特な香りは、台湾の冬を象徴する香り。日本人観光客にとっては、健康的に温活を楽しめる「飲むサプリメント」のような一品です。

まとめ

北投での足湯体験と、熱々の薬膳スープ。冷え込む冬の台湾だからこそ味わえる「温かいおもてなし」が、旅人の心と体を癒やしてくれます。

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