台湾有事ニュース(2026年1月31日)

本日のトップニュースは、米国の「2026年国家防衛戦略」から台湾への直接的な言及が消失したことによる衝撃と、エヌビディアのジェンスン・フアンCEOが主催する「兆元宴(1兆元晩餐会)」によるAIサプライチェーンの結束です。


記事1:米「国家防衛戦略」から台湾の記述消失、立法院で波紋

抑止力の揺らぎ:米国の2026年「国家防衛戦略」から台湾への言及が消失。与野党に衝撃と不安が広がる

1.「戦略的曖昧さ」の深化か、それとも「切り捨て」か

1月31日、台北では米ペンタゴンが発表した最新の「2026年国家防衛戦略(NDS)」の要旨が大きな議論を呼んでいます。

2022年版では台湾への圧力を非難する記述が8回もありましたが、今回の最新版では台湾への直接的な言及が一切見当たりません。

野党・国民党の立法委員らは「トランプ政権が台湾を中国との交渉カード(取引材料)にしようとしているのではないか」と懸念を表明。一方で、政府関係者は「米国の軍事的コミットメントは実務レベルで継続している」と沈静化を図っています。

2.「自衛意志」を問われる台湾

この記述の消失は、台湾国内で「米国が常に助けてくれる」という楽観論を戒める形となりました。

国防部関係者は、昨年末の「正義使命」演習への対応でも米軍の支援は不可欠だったとしつつも、今後は台湾自身の「1.25兆元国防予算」の成立と、自立的な非対称戦力の構築がより急務になると強調。

米国がアジアの同盟国に「より多くの負担」を求める中、台湾は自国の防衛意志を物理的な予算と装備で証明しなければならない局面を迎えています。

まとめ: 米国の防衛戦略における「台湾の不在」は、国際情勢の厳しさを物語っています。米中交渉の狭間で台湾が孤立するリスクを避けるため、台湾は自衛努力の加速と、日米との実務的な連携の質的向上を2026年の最優先課題に据える必要があります。

出典: 中央通訊社(CNA)、自由時報 参考サイトのアドレス: https://japan.focustaiwan.tw/politics/202601310001


 

記事2:エヌビディアCEO、今夜「兆元宴」を開催。台湾AIサプライチェーンが集結

 AI経済の不沈:ジェンスン・フアン氏が主催する「兆元宴」今夜開催。台湾のAI供給網が「最強の盾」を誇示

1.台北が「世界のAIの脳」に

米エヌビディアのジェンスン・フアン(黄仁勲)CEOは1月31日夜、台北市内の高級ホテルで、台湾の主要ハイテク企業トップを集めた「兆元宴(1兆元晩餐会)」を開催します。

出席者にはTSMCの魏哲家会長や、鴻海(ホンハイ)、広達(クアンタ)などのCEOが名を連ね、文字通り時価総額が合計「1兆台湾ドル」を遥かに超える巨大供給網の結束を確認します。

フアン氏は「台湾はAI革命の震源地であり、世界で最も重要なパートナーだ」と語り、台湾への継続的な投資を約束しています。

2.軍事的緊張を跳ね返す「経済的不可欠性」

フアン氏の訪台と投資計画は、地政学的リスクを払拭する強力なメッセージとなっています。

エヌビディアが台北に「第2本部」を設置するとの観測もあり、世界最高のAIチップを製造・設計する能力が台湾に集中し続けることは、中国に対する「経済的抑止力」となります。

経済部は「世界のAIインフラが台湾に依存している限り、武力侵攻のコストは世界恐慌を招くほど高くなる」と指摘。この「シリコンシールド」のアップデートこそが、ミサイルに匹敵する防衛力として機能しています。

まとめ: 「兆元宴」に象徴される台湾のAI産業の繁栄は、有事リスクの中でも台湾が「未来を創る場所」であることを証明しています。エヌビディアとの強固な絆は、経済安全保障の観点から台湾の生存を担保し、中国の「経済的孤立化」工作を無効化しています。

出典: 経済日報、工商時報 参考サイトのアドレス: https://money.udn.com/money/story/5612/7668000


 

記事3:中国の1月製造業PMIが「50割れ」、経済低迷が有事リスクを高める懸念

  北京の焦燥:中国1月の製造業PMIが「49.3」に低下。経済悪化が習政権による「対外強硬策」への転換を誘発か

1.景況感悪化が浮き彫りにする内政の限界

中国国家統計局が1月31日に発表した2026年1月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.3となり、景況拡大・縮小の分かれ目となる50を割り込みました。

内需の冷え込みと不動産不況が継続しており、中国経済の回復が遅れている実態が示されました。

台湾の安全保障専門家は「経済的な出口が見えない状況下で、共産党政権が国民の不満を逸らすために、台湾海峡での軍事的挑発を強める可能性がある」と警鐘を鳴らしています。

2.「戦狼外交」の再来への警戒

経済指標の悪化に合わせるように、中国国防部による高市首相への抗議や、台湾周辺でのドローン侵犯が激化しています。

大陸委員会は「中国は内政の失敗を台湾のせいにするべきではない」と批判。中国が経済的な弱体化を「軍事的な強気」で補おうとする「負の相関」に対し、台湾は周辺諸国と連携して警戒を強めています。

有事は中国の自信ではなく、むしろ「焦燥」から生まれるリスクがあるという分析が、1月31日の台北で広く共有されています。

まとめ: 中国経済のPMI悪化は、台湾にとって単なる経済ニュースではなく、安保上の警戒信号です。習政権が「経済で勝てない」と判断した際、軍事的なギャンブルに打って出る可能性を考慮し、台湾は2026年も全方位での備えを怠りません。

出典: ニューズウィーク日本版、聯合報 参考サイトのアドレス: https://www.newsweekjapan.jp/headlines/business/2026/01/586049.php


 

 記事4:国防部、旧正月を前に「HIMARS」展開訓練を実施。長距離打撃力を公開

 鉄拳の抑止:空軍・陸軍が合同で「HIMARS」の機動展開訓練。中国沿岸の拠点を射程に捉える実力を誇示

1.「第一撃」後の即時反撃能力を検証

台湾国防部は1月31日、旧正月(春節)休暇中の不測の事態に備え、米国から導入した高機動ロケット砲システム「HIMARS」を用いた機動展開・射撃準備訓練を実施しました。

訓練では、C-130輸送機からHIMARSを迅速に降ろし、数分以内に発射地点へ移動して仮想目標をロックオンする手順を確認。これにより、中国による初期攻撃を回避した直後の、強力な長距離反撃能力(中国沿岸の軍事拠点への精密打撃)が維持されていることを証明しました。

2.「見せる防衛」による心理戦

国防部は訓練動画をSNSで公開し、「我々は平和を望むが、主権を守るための牙も隠していない」と宣言しました。

昨年末の大規模演習を経て、台湾軍は「受け身の防衛」から「痛みを伴う反撃」への戦略転換を明確にしています。

兵士たちは新型のデジタル迷彩服と最新の個人装備を身につけ、旧正月も24時間体制で国土を死守する姿勢を示しました。この実戦的な備えが、中国軍に対する具体的かつ物理的な抑止力として機能しています。

まとめ: HIMARSの展開訓練は、台湾の防衛能力が一段高いレベルに達したことを示しています。「撃たれたら撃ち返す」という明確な意思表示は、中国の侵攻コストを劇的に高めます。2026年、台湾は最新兵器を使いこなし、主権の境界線を武力で守る準備を整えています。

出典: 青年日報、中央通訊社(CNA) 参考サイトのアドレス: https://japan.focustaiwan.tw/politics/202601300002


 

 記事5:日台「存立危機事態」論争。日本の関与強化に台湾は期待

運命共同体の議論:日本国内で「存立危機事態」の核心が問われる。台湾有事への日本の決断に現地メディアが注目

1.高市首相発言の「核心」を巡る分析

日本の高市早苗首相による「台湾有事への積極的関与」に関する発言を巡り、1月31日の台湾メディアは、日本国内での安保法制の議論(存立危機事態の適用範囲)を詳しく報じています。

日本が台湾有事の際、日米同盟を維持するために自衛隊を派遣するかどうかは、台湾の存亡に直結します。

台湾の専門家は「日本が『自国の危機』として台湾を捉えることは、中国の冒険主義を抑える最強の外交的・軍事的歯止めになる」と評価しています。

2.「日台安全保障協力」の具現化へ

外交部は、日本国内のこうした議論を歓迎しつつ、実務的なレベルでの情報共有や災害救助訓練の共同実施を模索しています。

中国からの激しい抗議は、むしろ日台の連携が中国にとって最大の急所であることを示しています。

2026年、日本との絆を深めることは、米国との関係が「戦略的曖昧さ」へ回帰するリスクを補完するための、台湾外交の最優先戦略となっています。

まとめ: 日本の関与を巡る議論は、台湾の安全が日本自身の安全であるという「運命共同体」の認識を再確認するものです。言葉の裏付けとしての実力行使の可能性が示されることで、台湾海峡の現状維持を支える多角的な抑止網が構築されています。

出典: note(木村浩一郎氏分析引用)、聯合報 参考サイトのアドレス: https://note.com/safe_eel5766/n/n02df6d85d9f4


 

 記事6:台北駅で「無差別襲撃」想定の訓練。社会強靭性を誇示

 社会のレジリエンス:台北駅で深夜の「無差別テロ対策」演習。警察・消防・市民が一体で「工作員」に備える

1.「日常の崩壊」を狙うテロへの備え

1月30日深夜から31日未明にかけて、台北駅(台北車站)の地下コンコースにおいて、警察と鉄道当局による大規模な「無差別襲撃事件」対応演習が実施されました。

これは、有事に関連して中国工作員が公共空間でのパニックを狙ったテロ(非正規戦)を仕掛けるシナリオに基づいたものです。

負傷者の救護から犯人の制圧、さらにパニックになった数千人の乗客の誘導手順が、本番さながらの緊迫感の中で検証されました。

2.「折れない心」を支えるデジタルインフラ

今回の訓練には、AI監視カメラによる異常行動の即時検知や、スマホアプリを通じた避難誘導も組み込まれました。内政部長は「物理的なミサイル以上に、社会の不安を突く攻撃こそが恐ろしい」と述べ、市民一人ひとりが「正しく備える」ことの重要性を説きました。

この草の根の「全社会防衛」が、中国の狙う「内側からの崩壊」を阻止する鍵となります。台北の日常を守る努力が、国家全体の強靭性(レジリエンス)を証明しています。

まとめ: 台北駅での演習は、台湾が「目に見えない戦い」に対しても抜かりなく準備していることを示しました。市民の安全を守る行政の実行力は、国民の政府への信頼を高め、外部からの揺さぶりに屈しない強固な社会基盤を構築しています。

出典: 台北時報(Taipei Times)、自由時報 参考サイトのアドレス: https://www.taipeitimes.com/News/taiwan/archives/2026/01/31/2003851532