台湾最新ニュース2025年11月18日

  

1. 台湾、全世帯向け「国民防衛ハンドブック」配布開始

台湾政府は今週、約980万世帯を対象に「国民防衛ハンドブック」の配布を開始しました。これは、中国からの軍事的圧力やサイバー・ハイブリッド攻撃などの多層的脅威に備えるため、自宅で準備できる非常持出袋、避難所の確認、偽情報識別などが盛り込まれた実践的な指南書です。林飛帆・国家安全会議副秘書長は「国民一人ひとりが自衛の意識を持つことが必要」と強調しました。英語・他言語版も含め、国外居住者にも配布される予定で、台湾の「市民防衛」体制が新たな段階へと移行していることが浮き彫りになっています。家庭レベルからの防衛意識向上は、産業・社会インフラへの影響も見据えた国家戦略の一環です。
情報ソース:Reuters(2025/11/17)

 


2. 台湾、AI人材20万人育成プログラムを本格始動

台湾政府は、2026年までにAI関連人材20万人を育成する大型プログラムを発表しました。大学・専門学校・企業が連携し、実務教育、税制優遇、デモサイト提供など多面的支援が実施されます。特に中小企業のAI導入促進を重要施策と位置づけ、台湾産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を国家戦略として推進。半導体・AIの拡大期にあって、台湾は世界的な技術競争で一歩先を目指します。政府関係者は「産業構造の革新は時間との勝負」と語り、日本企業にとっても台湾を拠点とした協業機会が増加するとみられています。
情報ソース:Taiwan News(2025/11/18)

 


3. 台湾、輸出統制を強化 量子・先端半導体機器も対象に

台湾政府は、量子コンピューティング装置や先端半導体製造機器を「二重用途技術(軍民共用)」として輸出統制対象に追加する方針を明らかにしました。経済部国際貿易局は60日間の意見募集期間を設けた上で、最終規則を策定する予定と発表。台湾はロシアのウクライナ侵攻以降、武器・技術の拡散防止体制を強化しており、今回の制度改正もその一環です。台湾のハイテク産業が中国や他国を通じて軍事用途に転用されるリスクを抑えることが目的とされ、国内企業や海外パートナーにとっても規制環境の変化は注視すべきポイントです。
情報ソース:Reuters(2025/11/18)

 


4. 台湾経済、AIブームに支えられ今期成長「6%近く」へ

台湾の統計局長は、2025年のGDP成長率が6%近くに達する可能性を示しました。第3四半期の実質成長率が前年比7.64%と予想を上回り、AI・半導体需要の追い風を受けています。特に輸出関連の伸びが著しく、米国向けや中国向けが好調で、輸出依存型経済における構造転換の兆しも。経済関係者は「従来の製造重視モデルから知識集約型産業への移行が本格化している」と指摘。日本企業にとっても台湾は投資・拠点として再評価の機会を迎えています。
情報ソース:Reuters(2025/11/13)

 


5. 台湾人工林「台湾ヒノキ」土壌炭素吸収力が世界レベルに

台湾林業研究所の調査で、南投県人工林で育つ「台湾ヒノキ(Abies kawakamii)」の土壌が他樹種より10〜20トン/ヘクタール多く炭素を蓄えていることが確認されました。人工林が台湾の森林カバーの約60%を占める中、この高い土壌炭素貯蔵量は脱炭素・カーボンクレジット市場において新たな価値を提示。森林管理や間伐方式の見直しも提起されており、日本企業との環境技術連携の商機が注目されています。台湾が環境+産業モデルとして注目される背景となる調査結果です。
情報ソース:Taipei Times(2025/11/17)

 


6. 台湾―ウクライナ支援協定締結、母子医療強化で国際連携

台湾は、ウクライナ・ヴィンニツィア市と母子医療分野の協力協定(MOU)を署名しました。台湾代表(駐ポーランド大使)が同市長とオンラインで調印し、医療機器提供、医師研修、母子・新生児ケアの能力強化が含まれます。ウクライナ侵攻後、台湾は復興支援・教育支援に注力しており、今回の協定も「未来へのパートナーシップ」構想の一環。日本企業や医療機関との三国間連携も今後想定され、台湾の国際貢献とプレゼンス強化が図られています。
情報ソース:CNA (Focus Taiwan)(2025/11/17)