台湾有事ニュース(2026年1月5日) |
記事1:国防部、中国の最新鋭ロケット砲「HIMARS対抗」の実戦配備に警戒
拒絶能力の競い合い:国防部、中国軍の「HIMARS対抗」ロケット砲配備を分析—精密打撃への警戒
1.台湾の「HIMARS」を標的にした新戦力
台湾国防部は1月5日、中国人民解放軍が昨年末の演習「正義使命—2025」において、台湾が米国から導入を進めている高機動ロケット砲システム(HIMARS)を明確な標的とした戦術を検証していたとの分析結果を公表しました。
中国側は、長距離精密打撃能力を持つ最新の遠隔ロケット砲システムを福建省沿岸に集中的に配備しており、台湾側の反撃拠点を先制的に無力化する訓練を強化しています。
国防部は「敵は我々の非対称戦力を最大の脅威と見なしており、これに対抗するための飽和攻撃能力を磨いている」と警鐘を鳴らしました。
2.「機動性と秘匿性」で対抗する台湾軍
国防部は、中国の精密打撃に対し、HIMARSや国産ミサイルシステムの「機動展開能力」と「デコイ(偽標的)」の活用を強化し、生存性を高める方針を再確認しました。軍事専門家は「中国の狙いは、開戦初期に台湾の長距離打撃力を封じることにあるが、台湾側の機動的な運用はこの目論見を困難にさせる」と指摘。国防部は2026年、重要装備の防護シェルターの要塞化と、衛星情報を用いたリアルタイムの敵陣地把握能力の向上を急ぐとしています。物理的な戦力の衝突以前に、互いの急所を狙い合う「拒否能力の応酬」が激化しています。
まとめ: 国防部は中国軍が台湾のHIMARSを狙ったロケット砲戦力を強化していることに警戒を表明しました。先制打撃を狙う中国に対し、台湾軍は装備の機動化と秘匿性の向上で生存を図る「非対称な対抗」を強化。2026年、台湾海峡を挟んだ精密打撃能力の競争は、より高度で実戦的な段階に入っています。
出典: 中央通訊社(CNA)、青年日報 参考サイトのアドレス: https://focustaiwan.tw/politics/202601040032
記事2:外交部、IPACの「中国演習非難声明」を歓迎—国際的な防衛線の広がり
民主主義の連帯:外交部、IPACによる中国演習への非難声明に謝意—「武力の脅迫は失敗する」
1.国際議会連盟による迅速な対中糾弾
台湾外交部(外務省)は1月5日、民主主義諸国の国会議員で構成される「対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)」が、中国の演習を「台湾に対する意図的な強迫の拡大であり、自制からの危険な逸脱である」と断じる声明を発表したことに対し、心からの謝意を表明しました。
IPACは声明で、中国の軍事的威圧が誤認のリスクを高め、インド太平洋および世界の繁栄を脅かしていると指摘。
外交部は「国際社会の代表者が一致して声を上げることは、中国の覇権主義的な行動を抑制するための強力な道徳的・政治的抑止力となる」と強調しました。
2.「一つの中国」の歪曲に対する対抗策
外交部の蕭光偉報道官は、中国側が「数十カ国が演習を支持している」と主張していることに対し、「事実を歪曲し、国際社会を脅迫する危険な試みである」と一蹴しました。
外交部は、日本、米国、欧州連合(EU)、豪州、フィリピンなどが相次いで懸念を表明した事実こそが、台湾海峡の安定維持を求める国際的なコンセンサスであると指摘。2026年も引き続き、IPACなどの国際組織との連携を深化させ、中国による「台湾の内海化」というナラティブ(語り口)を国際舞台で完全に否定し、台湾の主権と地位を再確認させる外交戦を継続する方針です。
まとめ: 外交部はIPACによる中国演習への強い非難を歓迎し、国際的な支援の広がりを強調しました。中国の虚偽の主張を退け、日米欧等との連携を背景に「平和を守る国際的コンセンサス」を再確認。2026年も外交を通じた「目に見えない防衛線」を強固にすることで、中国の孤立化と抑止を目指します。
出典: 台湾ニュース(Taiwan News)、中央通訊社(CNA) 参考サイトのアドレス: https://www.taiwannews.com.tw/news/6275028
記事3:立法院、与野党対立により「詐欺犯罪防止法」の付帯決議のみ通過
停滞する国政:立法院、国防予算審議を欠いたまま「詐欺防止法」改正案を通過—安保軽視への批判
1.重要安保課題を置き去りにした審議
台湾の立法院(国会)は1月5日までに、刑罰の強化や被害者保護を盛り込んだ「詐欺犯罪危害防止法」の改正案を三読通過(成立)させました。
これ自体は民生上の重要な進展ですが、一方で頼清徳政権が最優先課題とする「国防特別予算」や「中国非難決議」が野党のボイコットによって審議さえ行われていない現状に対し、与党側からは激しい非難が上がっています。
行政院の卓栄泰院長は「詐欺対策も重要だが、国家そのものが存立の危機にある中で、防衛予算を棚上げにすることは責任ある国会の姿ではない」と苦言を呈しました。
2.「内部の分断」がもたらす地政学的リスク
野党側は「予算編成に透明性がない」との主張を崩しておらず、審議の停滞は2026年の装備調達や部隊訓練の計画に深刻な遅延を招く恐れがあります。
国家安全保障関係者は「立法院の膠着状態は、中国にとって『台湾は内部から崩壊させられる』という誤った確信を与える」と警告。中国の認知戦は、こうした国内の政治対立を巧みに利用して国民の政府不信を煽っており、有事における「レジリエンス(強靭性)」の最大の弱点が内政にあることが浮き彫りとなっています。
与野党の対立解消こそが、現在の台湾にとって最大の「国防上の急務」となっています。
まとめ: 立法院は詐欺対策法を成立させましたが、国防予算の審議は依然として停滞しています。軍事的緊張が高まる中での政治的な膠着は、実質的な抑止力を低下させ、中国の工作を許す「隙」となります。内部の団結を欠いたままでは、外部からの強力な圧力に立ち向かうことは困難であり、国会の正常化が急務です。
出典: 自由時報(Liberty Times)、台湾政府ポータル 参考サイトのアドレス: https://www.taiwan.gov.tw/content5.php?p=27&c=42&title=www.taiwan.gov.tw
記事4:デジタル発展部、SNS上の「軍事重要拠点」の衛星画像削除を完了
デジタル防衛:デジタル発展部、Googleマップ等から「軍関係者の自宅・職場」の画像を削除—情報の保全
1.精密誘導兵器の標的化を防ぐ措置
台湾のデジタル発展部(デジタル庁)は1月5日、国家安全保障上のリスクを低減するため、主要な地図サービス(Googleマップ等)の衛星画像から、重要閣僚や軍司令官、および一部の高度な軍事拠点の情報を非表示・削除する作業を完了したと報告しました。
これは、中国軍がSNSや公開情報を利用して、有事の際の「斬首作戦(要人暗殺)」や精密ミサイル攻撃の座標特定を行っていることに対処するための「情報の要塞化」の一環です。
デジタル発展部は「情報の断片化と秘匿こそが、現代戦における生存率を高める」としています。
2.民間企業との連携による「データ主権」の確立
今回の措置は、プラットフォーム提供企業との緊密な交渉の末に実現したもので、台湾がデジタルの領域においても自国の「データ主権」を行使した事例となります。
デジタル発展部は、今後もAIを用いた情報監視を強化し、軍関係者の動向や重要インフラの内部情報がネット上に流出していないかを24時間体制で監視する方針です。
有事は戦場だけでなく、スマホの画面裏でも始まっており、情報の非対称性を作り出すことで中国の攻撃コストを高める戦略です。市民に対しても、軍事施設周辺での安易な撮影や投稿を控えるよう改めて注意を呼びかけ、社会全体のセキュリティ意識向上を図っています。
まとめ: デジタル発展部は、要人の所在や重要拠点の情報をネット上の公開地図から排除し、情報の要塞化を完了しました。これは精密攻撃のリスクを低減するための具体的なデジタル防衛策です。データの秘匿と管理を徹底することで、中国の「斬首作戦」や精密打撃の有効性を削ぎ、デジタルの側面から国家の安全を死守しています。
出典: フォーカス台湾(中央通訊社)、デジタル発展部 参考サイトのアドレス: https://focustaiwan.tw/politics/202601040030
記事5:経済部、2025年貿易統計を公表—「非紅サプライチェーン」の拡大
脱中国の結実:2025年輸出統計、対米欧・対日輸出が過去最高を更新—「非紅供給網」の主導権確保
1.経済的な「脱中国化」の加速
台湾経済部(経済省)は1月5日、2025年通年の貿易統計(速報値)を公表しました。最大の特徴は、対中輸出(香港を含む)の割合が20年ぶりの低水準となる一方で、対米、対欧州、および対日輸出がいずれも過去最高を更新した点です。
これは、台湾政府が進めてきた「脱中国・非紅(非中国)サプライチェーン」の構築が、AI半導体や高速通信機器を中心としたハイテク分野で実を結んだことを示しています。
経済的な中国依存からの脱却は、有事の際の「経済的封鎖」や「貿易による威圧」に対する台湾の耐性を劇的に高めるものです。
2.「富強」による安全保障の裏付け
経済部は「好調な輸出による外貨獲得と財政の安定は、国防予算の増額や兵器の自主開発を支える強固な基盤である」と分析。
豊かな経済力は、日本や米国との経済安全保障連携において、台湾が「不可欠なパートナー」であることを証明し続けています。2026年、経済部はさらに中南米や東南アジア(新南向諸国)への多角化を推進し、いかなる特定の国による経済的揺さぶりにも屈しない「不沈の経済圏」の構築を目指す方針です。
この経済的成功こそが、中国の認知戦を無力化し、国民の生活と民主主義を守るための最も実効性のある盾となっています。
まとめ: 2025年の輸出統計は、台湾の経済的な「脱中国」が成功裏に進んでいることを示しました。対米欧・対日輸出の拡大は、民主主義陣営との供給網の絆を強め、有事の経済リスクを分散させています。この経済的自立と繁栄は、国防を支えるエンジンであり、中国の経済的威圧を封じ込める強力な抑止力として機能しています。
出典: 経済日報、中央通訊社(CNA) 参考サイトのアドレス: https://focustaiwan.tw/business/202601050015
記事6:内政部、全国の「民間救急認証」取得者の初出動実績を公表
市民の底力:宜蘭地震で活躍した「防災・救護認証」市民、500名以上の救急対応に貢献—共助の成果
1.「全民防衛」が実戦で果たした役割
台湾内政部(総務省に相当)は1月5日、昨年末の宜蘭沖強震(M7.0)において、政府の「防災・救急救護認証」を取得していた一般市民が、発生直後の数時間で500名以上の負傷者の手当てやトリアージ(選別)に貢献したとする実績データを公表しました。
これまで「有事への備え」として推進されてきた市民の教育訓練が、実際の災害現場で多大な効果を発揮した形です。内政部は「プロの救助隊が到着するまでの間に、訓練を受けた市民が冷静に行動したことが、被害の拡大を防ぐ決定的な要因となった」と高く評価しました。
2.「折れない社会」の構築に向けた次のステップ
今回の実績は、有事における「社会のパニック抑制」と「生存率の最大化」において、市民のスキルの重要性を再認識させるものとなりました。
内政部は2026年、全国の各コミュニティに「救急資材(止血帯・AED等)」をさらに増設し、認証取得者数をさらに倍増させる計画です。軍事専門家は「こうした市民の自発的な救護能力は、中国の侵攻シナリオにある『社会の混乱と早期降伏』を完全に無効化する、強力な非軍事的な抑止力である」と指摘。
内政部は、この成功事例を基に、より実戦的な「戦災救護演習」を全国の学校や職場に定着させ、国家全体の強靭性(レジリエンス)を底上げする方針です。
まとめ: 内政部は地震での市民救護実績を公表し、「全民防衛」の有効性を証明しました。訓練された市民が現場で命を守る姿は、有事の混乱工作に対する最大の回答であり、台湾社会の「底堅さ」を示しています。この草の根の防衛力強化が、外部からの軍事的な揺さぶりに屈しない、強靭な国家基盤の要となっています。
出典: 聯合報、中央通訊社(CNA) 参考サイトのアドレス: https://focustaiwan.tw/society/202601050012
