台湾有事最新ニュース2025年12月12日 |
① 「台湾外務次官が極秘イスラエル訪問 防衛協力・先端技術連携を模索」
台湾外交部の呉志中政務次長が2025年12月に公式発表なしでイスラエルを訪問していたことが関係筋の情報で明らかになりました。
台湾は中国の圧力下で国際的孤立を強いられる中、イスラエルという民主主義国と防衛・技術協力の道を探る狙いがあるとみられています。イスラエルは世界有数のミサイル防衛技術を持つ国であり、台湾は自国の防空体制強化を進める上で、アイアンドームに類似したシステムやサイバー防衛、無線通信技術などの交換を重視しています。
台湾はこれまで米国からのミサイルや防空レーダーなどを導入してきましたが、独自の多層防空網構築を進める上では多国間協力が不可欠とされています。呉次長の訪問は公式発表がない「極秘訪問」だったものの、実務協議の一環とみられ、台湾側はイスラエルとの防衛技術に関するカウンターパートナーシップを強化する意向です。台湾総統府は「自由と民主主義を共有する国々との協力は台湾の安全保障に重要」とコメントしています。
この動きは、中国に対する抑止力を高めるだけではなく、台湾が中国軍の攻勢に備えるための戦略的多国間協力を強化する流れを象徴しています。民主主義国家同士の防衛技術協力は、台湾有事が地域の安全保障課題である現実を反映しており、日本にとっても重要な示唆となります。
出典: Reuters「Taiwan’s Deputy Foreign Minister made secret trip to Israel」
https://www.reuters.com/business/aerospace-defense/taiwans-deputy-foreign-minister-made-secret-trip-israel-sources-say-2025-12-11/
② 「米国が台湾防衛重視の国家安全保障戦略を発表 —中国が強く反発」
米国トランプ政権は2025年12月、台湾や南シナ海を巡る戦略的な安全保障課題への対応を強化する「国家安全保障戦略(NSS)」を発表しました。
この文書は、中国が東アジアで軍事力を増強している現状を受け、台湾防衛を重点的課題として明記した初の内容となっています。米国政府は、台湾の戦略的位置と半導体など重要産業のサプライチェーン保護の必要性を強調し、同盟国との防衛協力強化を打ち出しました。
これに対し中国外務省は強く反発し、「台湾は中国の核心的利益であり、外部干渉は決して容認しない」とする声明を発表しました。中国政府は同時に東アジア海域に海軍・海警船を広範囲に展開させ、地域の軍事プレゼンスを高めています。台湾総統府は米戦略を歓迎するとしつつも、自国の防衛力強化と国際的な抑止力の維持に向けた努力を継続する方針を示しました。
戦略文書には、日本や韓国などの同盟国にも防衛力向上を求める文言が含まれ、地域全体で中国の急速な軍備拡張に対応すべきとの立場が明示されています。専門家は、「米国が台湾問題を国家安全保障戦略の主要項目として明記したことは、台湾有事が単なる地域問題ではないというメッセージ」と分析しています。一方、中国側は軍事圧力を強化しつつ、外部勢力に対する警告を強めており、地域の緊張は一段と高まっています。
出典: Reuters「Trump unveils strategy to prevent China conflict over Taiwan」
https://www.reuters.com/world/china/trump-unveils-strategy-prevent-china-conflict-over-taiwan-2025-12-05/
③ 「中国が台湾周辺で大規模軍事展開 —台湾・日本が共同で懸念表明」
台湾と日本は2025年12月上旬、中国が東アジア海域に多数の艦艇および海警船を展開しているとして共同で懸念を表明しました。
台湾大統領府報道官は、中国軍および海警局の艦船が黄海から西太平洋まで広範囲に展開しているとして、「地域の安定を脅かす行為」と強い懸念を示しました。一方、日本の小泉防衛相も中国軍機が沖縄近海の公海上で自衛隊機に火器管制レーダー照射する事案が発生したと発表し、地域の軍事的緊張の深刻さを強調しました。
この動きは、台湾海峡の中間線を越える航空機や、中国軍艦による圧力が増加しているとの報告を受けてのものです。台湾はこのような中国の軍事的プレゼンスの増大を、「地域の航行の自由と国際法に基づく安定を損なう行為」と位置づけ、国際社会と連携した監視強化を呼びかけています。
日本は防衛力強化とともに、台湾有事を想定した離島防衛やミサイル配備計画を前倒しする議論が進んでおり、日台両国にとって「他国ごとではない」安全保障課題となっています。専門家は、中国の軍事展開が台湾海峡だけでなく東シナ海・南シナ海まで拡大している点を指摘し、地域全体の抑止環境と情報共有体制の整備が不可欠であるとしています。
出典: Reuters「Taiwan, Japan voice concern over Chinese military movements」
https://www.reuters.com/world/china/taiwan-japan-voice-concern-over-chinese-military-movements-2025-12-05/
④ 「台湾、軽飛行機で中国艦艇追跡 —官民連携で安全保障データ収集」
台湾では政府部門と民間企業が連携し、中国軍艦艇の動向を高精度で追跡する取り組みが進んでいます。
台湾東部沖上空では、軽飛行機に搭載した**高性能レーダー装置が中国軍艦を捉え、その航行データを収集するプロジェクトが報告されました。**この活動は台湾国防省や海巡署の監視網を補完する民間技術の活用を狙いとしており、中国軍の「灰色地帯」での活動監視に活かされています。
搭載されたレーダーは米国製で、敵性艦艇や潜水艦通信等の情報を詳細に捉え、台湾側に送信することが可能です。専門家は、このような航空監視データは、リアルタイムの海洋状況把握や戦略的判断に寄与すると評価しています。これまで台湾は人工衛星やレーダーサイトで海域監視を行ってきましたが、軽飛行機による低高度からの追跡は死角を減らせる利点があります。
このような官民連携は、有事の際の早期警戒体制の強化につながるだけでなく、民間企業の防衛産業参画を促進する役割を果たします。台湾政府はこの取り組みを拡大する方針を示しており、今後も先進的なセンサー技術やデータ分析の導入が進む見込みです。
出典: Reuters「Light aircraft tracked Chinese warships in Taiwan security project」
https://www.reuters.com/world/taiwan/light-aircraft-tracked-chinese-warships-taiwan-security-project-2025-12-06/
⑤ 「台湾有事を巡る日本の存立危機議論 —高市総理の見解と外交反響」
日本の高市早苗総理は2025年12月、衆議院予算委員会で「台湾有事が発生し、武力行使が伴う場合は存立危機事態として集団的自衛権の行使が想定される」と発言しました。
この答弁は安全保障法制の枠組みで、日本国民の生命・権利に直接影響がある事態と判断される場合の対応に言及したものです。中国側はこれに強く反発し、外交的批判やメディアを通じたけん制を展開しています。
存立危機事態は、日本が直接攻撃を受けていなくても密接に関連した他国への攻撃が日本の存立を揺るがす危険があるときに適用される法的枠組みです。高市総理は発言後、「あくまで理論的な可能性を説明した」と釈明しつつ、公式に撤回はしていません。専門家はこのような発言が国内外でさまざまな解釈を生むと指摘しています。
一方で、日本政府は安全保障の現実的リスクを踏まえ、沖縄・離島の防衛や避難計画、米国との連携強化を進めています。台湾側も日本の対応を注視しており、民間・政府レベルでの意見交換や情報共有が活発化しています。台湾有事が「他人事ではない」と認識される中で、日本国内での議論も活発化しており、地域全体の安全保障環境を左右する重要な論点となっています。
出典: TV Asahi/共同通信「高市総理の存立危機事態に関する答弁」
https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/900177512.html
⑥ 「台湾が表明、日・日本支持への感謝と地域安定への期待」
台湾政府は2025年12月、日本の高市早苗首相が台湾海峡の平和と安定を強く支持したことに対し、深い感謝の意を表明しました。
台湾行政院長の卓栄泰氏は、日本が中国の急速な軍事活動に対して平和的解決と地域の安定を強調した発言に対して「非常に心を動かされた」と述べ、両国の非公式ながら堅固な関係を再確認しました。
この発言は日本の国会での「台湾有事は存立危機事態となり得る」との議論が報じられた直後に出され、両国政府の安全保障政策に関する共通の認識が高まっていることを示しています。台湾は2026年以降の防衛予算を大幅に増加させる方針を示しており、抑止力の強化を図ると同時に、日本や米国などとの連携強化を進めています。
中国はこれらの動きに敏感に反応しており、日本と台湾の関係強化を「内政干渉」と非難するコメントを繰り返しています。しかし、台湾内では民間企業や研究機関との防衛・経済協力が拡大し、技術・情報の共有が進んでいます。地域の民主主義国家間連携は、台湾側にとって戦略的抑止力の核となりうるとされています。
このような評価は、単なる外交的交流にとどまらず、地域全体の平和と安定に向けて具体的な協力関係を築くためのプロセスの一部であると受け止められています。
出典: Reuters「Taiwan ‘very moved’ by Japanese prime minister’s support, premier says」
https://www.reuters.com/world/china/taiwan-very-moved-by-japanese-prime-ministers-support-premier-says-2025-12-05/
⑦ 「台湾、ハイテク企業に対する国際投資リスク検討強化 —経済安全保障の焦点」
台湾は先進的な半導体・通信技術を持つ企業に対する国際的な投資と技術移転リスクの見直しを強化しています。
米国や日本などの企業が台湾に投資する一方で、中国企業による人材流出や技術取得リスクが高まっており、台湾政府は外資規制の枠組み強化に向けた検討を進めています。これは単なる経済政策ではなく、経済安全保障の視点から防衛戦略の一部として扱われています。
世界的に半導体供給網の重要性が高まる中、台湾の技術は米中双方からの関心が高まっています。台湾政府は、外国投資に際しての審査基準強化や機密技術の保護措置を見直し、戦略的重要分野の企業に対する安全保障評価を恒常的に実施する方針を掲げました。この背景には、技術流出が国家の防衛・経済基盤の両方に深刻な影響を及ぼす可能性があるとの認識があります。
専門家は、経済安全保障は軍事安全保障と同じくらい重要であり、例えば半導体装備や通信インフラは戦略的資産として扱われる必要があると述べています。台湾政府は2026年以降の防衛予算拡大と並行して、経済安全保障に関連する法制度整備を進める方針を示しています。
出典: Reuters「U.S. National Defense Strategy and regional implications」
https://www.reuters.com/world/china/trump-unveils-strategy-prevent-china-conflict-over-taiwan-2025-12-05/ (経済安全保障部分参照)
