台湾最新ニュース 2025年12月5日 長期出張で間が空いてしまいました |
長期出張で間が空いてしまいましてすみませんでした。
1. 台湾、先端半導体装置など18品目を「軍民兼用技術」として輸出規制対象に追加へ
台湾の経済部国際貿易局は2025年11月17日、先端半導体製造装置、量子コンピュータ、高度 3Dプリンタ設備など合計 18品目 を「軍民兼用(デュアルユース)貨品および技術」の輸出規制対象リストに追加する改定案を発表しました。対象には低温ウェーハプロービング装置、走査電子顕微鏡、冷却装置などが含まれ、輸出には政府の許認可が必要となります。今回の改定は、ロシアによるウクライナ侵攻などグローバルな安全保障環境の変化を受け、高度技術の不適切な軍事転用を防ぐための対応と説明されています。改定案は現在60日間の対象関係者からの意見募集(パブリックレビュー)に入り、最終決定後は関係企業への影響が予測されます。台湾が事実上締約国でないにもかかわらず、国際輸出管理体制であるワッセナー・アレンジメント準拠を目指す姿勢は、技術大国としての自覚と安全保障意識を強く示すものです。
情報ソース:Reuters “Taiwan to further tighten export controls for dual-use technology” 及び Taipei Times “Taiwan to add 18 items to tech export control list” whtc.com+1
2. 台湾、2025年10月の輸出が過去16年で最大の伸び ― AI・半導体需要がけん引
2025年10月、台湾の輸出額は前年同月比 +49.7% の約 618 億米ドルに達し、過去16年で最大の伸びとなりました。これは、世界的な人工知能(AI)と高性能演算(HPC)向け半導体の強い需要を受けた結果と分析されており、特に米国など海外市場からの注文が急増していることが背景にあります。台湾の輸出好調は、同国が世界の半導体・ハイテク供給網で重要な役割を果たしている証左といえます。輸出の急増は、台湾国内経済にも大きなプラス影響を与え、関連産業の雇用や投資にも波及する見込みです。一方で、半導体やAI関連の需要集中に伴う供給網のひっ迫、原材料コストの上昇、グローバル経済の不透明感など、今後のリスクにも留意する必要があります。
情報ソース:Reuters “Taiwan October exports log biggest growth in nearly 16 years on strong AI demand” Investing.com
3. 台湾経済、2025年は前年比約6%成長も視野 ― AI/半導体ラッシュが景気押し上げ
台湾の統計局長は2025年11月12日、今年の経済成長率が 5.5%–6%台 に達する可能性を示しました。背景には、第三四半期(7–9月)における7.64%の年率成長という驚異的な数字があり、これは半導体やAI産業を中心とした輸出好調が大きく寄与したものです。世界的なAIブームでハイテク製品の需要が急増する中、台湾はその生産拠点として機能し、輸出および技術輸出の増加が経済全体を押し上げています。この成長により、国内雇用、投資、産業の付加価値化が期待される一方で、輸出への過度な依存、国際需給の変動、世界経済の先行き不透明性などのリスクも伴います。今後、台湾政府および企業が成長の恩恵を安定化させるための戦略が問われる局面です。
情報ソース:Reuters “Taiwan economy could grow close to 6 % this year, statistics chief says” northlandnewsradio.com
4. 台湾の中堅ファウンドリ UMC、米国パートナーと8インチ半導体受託生産で提携
台湾の中堅ファウンドリ企業 UMC は2025年12月4日、米国の半導体メーカーPolar Semiconductorと8インチウェーハの受託生産に関する覚書を締結したと発表しました。提携では、Polar が米ミネソタ州の拡張ファブを利用し、車載、データセンター、宇宙・防衛、民生電子機器向け半導体の生産を行う計画です。UMCの技術力とPolar の現地製造能力を組み合わせることで、米国内の半導体供給網の強化や多元化を支援し、サプライチェーンの安定化を図る狙いがあります。この提携は、台湾企業が海外展開・グローバル市場参入を加速させる一例であり、かつ地政学的リスクが高まる中での供給安全保障の確保という観点からも注目されます。台湾半導体の国際競争力と影響力が一段と高まる可能性を示すニュースです。
情報ソース:Reuters “Taiwan's UMC in pact with Polar to explore US production of eight-inch chip” Reuters
5. 台湾、芸術とデザインの祭典「台湾デザインウィーク2025」開催 ― クリエイティブ産業に注目
2025年11月29日から12月7日まで、台北市の松山文化創意園区を主会場に、台湾デザインウィーク2025 が開催されています。今年のテーマは “DESIGN NEXT”。世界各国からデザイナー、学生、企業が集まり、デザインを通じた社会課題への提案、環境・技術・文化の融合、未来志向のクリエイティブによる社会変革などを議論・展示します。さらに、世界的なデザイン学会である IASDR(国際設計学会)の2025 年台湾開催も併催され、台湾が国際デザイン界で再び注目を浴びる機会となっています。本イベントは単なる芸術祭を超え、クリエイティブ産業の国際競争力強化、観光誘致、地域活性化にもつながる試みと位置づけられています。台湾の新しい文化経済モデルの構築を象徴するイベントです。
情報ソース:共同通信 PR-Wire “台湾デザインウィーク2025 開催” 共同通信PRワイヤー+1
