台湾有事ニュース(2026年1月8日)

  

記事1:国防部、F-16戦闘機の行方不明を受け大規模捜索を継続—3日目に突入

 懸命の救出:東部海域でF-16戦闘機が墜落—捜索3日目、艦艇22隻を投入し全力を挙げる

1.花蓮沖での墜落事故と安否確認

台湾国防部は1月8日、東部・花蓮沖で1月6日夜に定例訓練中に消息を絶ったF-16戦闘機(機体番号6700)の捜索状況について報告しました。

行方不明となっている辛柏毅大尉を救出するため、これまでに航空機延べ30機、艦艇延べ22隻、および約180名の要員を投入し、海空両面での捜索を続けています。

頼清徳総統は「全力を挙げて捜索を継続している。国民一丸となって辛大尉の無事を祈ってほしい」と述べ、最優先で命を救い出すよう指示しました。(約300文字)

2.機体の信頼性と戦備への影響

今回の事故に関し、改修後の機体システム(MMC)の不具合を懸念する声が上がっていますが、顧立雄国防部長(防衛相)は8日、立法院において「ソフトウェア更新後は安定しており、過負荷等の状況は確認されていない」と説明しました。

空軍は事故を受け、同型機に対し「天安2号」特別点検を実施し、訓練任務を一時停止しましたが、中国軍の活動に対する「警戒待機任務」は引き続き維持すると明言。

有事のリスクが高い状況下で、兵士の安全確保と防衛体制の維持という、極めて困難なバランスを追求しています。)

まとめ: 国防部は行方不明のF-16パイロット救出に全力を注いでいます。機体トラブルの疑いに対しシステムは安定しているとの見解を示しつつ、特別点検による安全確保を優先。一方で中国の軍事的圧力に対抗する実戦的な警戒任務は継続し、国防の空白を作らない強い意志を国内外に示しています。

出典: 中央廣播電臺(Rti)、中央通訊社(CNA) 参考サイトのアドレス: https://www.rti.org.tw/jp/news?uid=3&pid=185305


記事2:国家安全局、昨年末の中国演習中に「200万件超」のサイバー攻撃を検知

 見えない戦場:中国軍、軍事演習中にサイバー攻撃200万件超を実施—国家安全局が実態を報告

1.軍事圧力と連動した情報・サイバー戦

台湾の国家安全局は1月8日、立法院の外交・国防委員会において、昨年末の中国軍大規模演習「正義使命—2025」期間中、中国側が物理的な軍事行動と並行して、台湾のサイバーセキュリティシステムに対し2日間で200万件を超える攻撃を仕掛けていたことを明らかにしました。同時に、SNS等を通じて約2万件の虚偽・偽情報を拡散する「認知作戦」も展開されました。

これは、社会のインフラを麻痺させ、国民の防衛意識を内部から切り崩そうとする「ハイブリッド戦」の典型例です。

2.「封鎖」を演出する情報の武器化

演習期間中、中国側は中国語と英語の両方で演習告知を行い、台湾周辺に7カ所の航行禁止区域を設定することで、国際的な孤立と物理的な封鎖のイメージを意図的に作り出しました。

国家安全局は、これらが中国国内の経済的困難から国民の関心をそらす狙いもあったと分析しています。

国防部は、これら24時間体制の脅威に対し、国際社会と連携した「戦略的コミュニケーション」を強化し、中国の不当な威圧を可視化することで対抗しています。デジタルの城壁を守り抜くことが、有事のパニックを防ぐための鍵となっています。

まとめ: 国家安全局は、昨年末の演習中に200万件以上のサイバー攻撃と2万件の偽情報工作があったことを公表しました。軍事と情報の波状攻撃に対し、台湾は迅速な検知と国際連携で対抗。中国の狙いである「社会の士気低下」を阻止し、ハイブリッド戦における強靭性を証明し続けています。

出典: 中央廣播電臺(Rti)、自由時報 参考サイトのアドレス: https://www.rti.org.tw/jp/news?uid=3&pid=185304


記事3:大陸委員会、中国による閣僚2名の「台湾独立分子」認定を強く非難

 政治的恫喝:中国、内相と教育相を「独立分子」に認定—大陸委員会は「平和の破壊」と批判

1.中国による一方的な「ブラックリスト」拡大

台湾で対中政策を担当する大陸委員会は1月7日夜、中国の国務院台湾事務弁公室(国台弁)が、台湾の劉世芳内政部長(内相)と鄭英耀教育部長(教育相)の2名を「頑迷な台湾独立分子」の名簿に新たに登録したことに対し、強い遺憾と抗議を表明しました。

中国側は、今回の認定が台湾の「全社会防衛強靭化」や教育現場での国防意識向上を標的にしたものとしており、台湾の正当な行政活動に対する不当な介入を強めています。

2.威圧に屈しない民主主義の価値

大陸委員会は「中国共産党によるこうした脅迫的なリスト作成は、両岸(中台)の相互信頼を損なうだけでなく、地域の平和と安定を一方的に破壊するものである」と批判。認定された閣僚らも「台湾の安全と民主主義を守ることは当然の責務であり、いかなる威圧にも屈しない」との姿勢を示しています。

有事リスクが高まる中、中国は個人への圧力を通じて台湾政府内の「萎縮効果」を狙っていますが、大陸委員会は「民主主義国家の公職者に対する中国の恣意的な法執行は無効である」と断じ、国際社会と共にこの暴挙を注視する方針です。

まとめ: 大陸委員会は、中国が台湾の現職閣僚2名を「独立分子」と認定したことを政治的恫喝として非難しました。行政活動を標的にした中国の不当な圧力に対し、台湾は民主主義の堅持と主権保護の決意を再確認。個人への報復を恐れず、国家の安全保障体制を揺るぎなく推進する姿勢を鮮明にしています。

出典: 中央通訊社(CNA)、フォーカス台湾 参考サイトのアドレス: https://japan.focustaiwan.tw/politics/202601080002


記事4:国防部、米国でのF-16V新造機56機の組み立て進捗を報告

 防衛力の増強:米で新造F-16V戦闘機56機が組み立て中—国防部、2026年末の納入完了に期待

1.最新鋭の「空の盾」の着実な整備

顧立雄国防部長は1月8日の立法院において、台湾が米国から調達した最新のF-16V(ブロック70)戦闘機について、現在米国で56機が組み立て工程にあり、試験飛行も順調に進んでいることを明らかにしました。

組み立て中の内訳は単座機46機、複座機10機で、昨年末には初号機の試験飛行も完了しています。国防部は「最新鋭機の導入は、中国軍の航空優勢に対する強力な拒否能力を台湾にもたらす」と強調しました。

2.地政学的リスク下での装備刷新

米国政府が承認した計66機のF-16V売却計画は、総額約1兆2400億円に上る巨額プロジェクトであり、2026年末までの引き渡し完了を予定しています。

国防部は、試験飛行における複雑な項目の検証が加速しているとし、順次台湾への到着が始まるとの見通しを示しました。有事における航空戦力の重要性が増す中、現有戦力の維持(捜索救助活動)と新戦力の導入を並行して進めることは、台湾の防空網の寿命を延ばし、中国の侵攻意図を挫くための極めて重要な物理的抑止力となっています。

まとめ: 国防部は米国でのF-16V新造機56機の組み立て進捗を公表し、2026年末の納入完了に向けて着実な歩みを進めていることを示しました。最新装備の導入は防空能力の質的向上を意味し、日米台の連携を背景とした強力な軍事的抑止力の構築を支えています。

出典: 中央通訊社(CNA)、自由時報 参考サイトのアドレス: https://japan.focustaiwan.tw/politics/202601080003


記事5:内政部、中国スパイ事件の「3倍増」を報告—ウクライナ侵攻前の兆候と酷似

内からの脅威:中国スパイ事件が3倍に急増—内政部、「ウクライナ侵攻前と同じ前兆」と警鐘

1.活発化する「静かなる侵食」

台湾内政部の馬士元政務次官は1月7日の立法院において、近年台湾内で摘発される中国スパイ事件が、過去数年と比較して約3倍に急増しているとの衝撃的なデータを公表しました。馬氏は、軍関係者のみならず、政界や民間企業に対しても中国の浸透工作が深く及んでいる実態を指摘。「現在の台湾を取り巻く状況は、ロシアがウクライナに本格侵攻する直前の情報・浸透戦の激化と酷似している」と強い危機感を表明しました。

2.法改正による防御網の再構築

内政部は、こうした「内なる脅威」に対抗するため、国家安全法のさらなる改正による罰則強化と、公職者の対中接触規制の厳格化を急いでいます。しかし、立法院内では「言論の自由」の侵害を懸念する野党側の反発もあり、法整備は難航しています。馬氏は「自由を守るためには、自由を破壊しようとする工作を封じる法的根拠が必要だ」と説き、超党派での理解を求めました。

有事は突然始まるのではなく、こうした「静かなる侵食」の結果として訪れるという教訓に基づき、台湾は社会全体のセキュリティレベルの底上げを最優先課題としています。

まとめ: 内政部は中国スパイ事件の激増を公表し、有事前夜の危険な兆候に警鐘を鳴らしました。外部からの軍事圧力に呼応する内部の工作活動に対し、台湾は法整備による防壁構築を急いでいます。物理的防衛と同じく「内なる安全」の確保こそが、国家の生存を左右する極めて重要な戦いとなっています。

出典: 風傳媒(Storm Media)、中央通訊社(CNA) 参考サイトのアドレス: https://japan.storm.mg/articles/1093459


記事6:行政院主計総処、2025年のインフレ率1.66%と発表—経済の安定を強調

経済の強靭性:2025年のインフレ率1.66%に抑制—4年ぶりに2%を下回り、社会の安定を裏付け

1.地政学的リスク下での物価安定

台湾行政院主計総処は1月7日、2025年通年の消費者物価指数(CPI)上昇率が1.66%であったと発表しました。これはロシアのウクライナ侵攻以降続いていた物価高騰が落ち着き、4年ぶりに中央銀行の警戒ラインである2%を下回ったことを意味します。中国による昨年末の軍事演習や宜蘭地震といった地政学的・自然的試練の中でも、台湾の生活必需品の価格やエネルギー供給が安定して推移したことは、台湾社会の「底堅さ」を証明する経済的指標となりました。

2.「富強」が支える国民の防衛意志

主計総処は、国際原油価格の下落や天候の安定が寄与したと分析し、2026年1月も物価は安定する見通しを示しました。経済の安定は、国民の不安を解消し、中国が狙う「経済的困窮を突いた認知戦」に対する強力な防壁となります。

卓栄泰行政院長は「経済の安定こそが国防予算の確実な執行と国民の団結を支える基盤だ」と述べ、今後も戦略物資の備蓄とインフラの強靭化を進める方針です。軍事的緊張が続く中、インフレの抑制という実務的な成果は、台湾が「平時の有事」をコントロールし続けている自信の裏付けとなっています。

まとめ: 2025年のインフレ率が1.66%に抑制されたことは、地政学的リスクを乗り越える台湾経済の強靭性を示しています。物価の安定は社会の安定に直結し、外部からの揺さぶりに屈しない国民の結束を支える「非軍事の盾」として機能しています。豊かな民主主義の維持が、台湾の抑止力をより強固なものにしています。

出典: 経済日報 参考サイトのアドレス: https://focustaiwan.tw/business/202601080010