台湾有事ニュース(2026年1月29日)

「2026年1月29日」の最新情勢を、台湾現地の一次情報をベースに構成しました。

本日、台湾では国産潜水艦の初潜航試験高雄での大規模な対中国上陸阻止演習など、国防の節目となるニュースが相次いでいます。また、中国軍内部の動揺が台湾侵攻に与える影響についても、現地メディアで活発に議論されています。


記事1:台湾初の国産潜水艦「海鯤」が潜航試験を開始。水中抑止力の新時代へ

 紺碧の防壁:台湾初の国産潜水艦「海鯤」が初の潜航試験。非対称戦力の核が「深海」へ

1.国防自主化の象徴が「潜航」の関門へ

台湾国防部は1月29日、台湾初の国産潜水艦(IDS)「海鯤(ハイクン)」が、高雄沖で初となる潜航試験を開始したと発表しました。

潜水艦は中国による海上封鎖や上陸艦隊に対する最も強力な「非対称戦力」と位置づけられています。

今回の試験では、船体の水密性や水中での姿勢制御、推進システムの稼働が確認されます。国防部長は「海鯤の潜航は、台湾が自らの海を自ら守る能力を証明する歴史的な一歩である」と強調しました。

2.中国の「内海化」を阻む沈黙の脅威

軍事専門家は、国産潜水艦の配備が進むことで、中国海軍が台湾東部海域へ展開する際の心理的・物理的障壁が劇的に高まると分析しています。

中国は「海鯤」の建造を妨害しようと、技術者への圧力やデマの拡散(認知戦)を繰り返してきましたが、試験の開始はその工作が失敗に終わったことを示しています。2027年までに実戦配備を目指すこの「沈黙の防衛線」は、日米台の共同抑止体制においても、中国艦隊を第一列島線内に閉じ込める極めて重要な役割を担います。

まとめ: 「海鯤」の潜航試験開始は、台湾の防衛力が「量」から「質」へ、そして「水上」から「水中」へと拡大したことを象徴しています。自国で潜水艦を建造・運用できる技術力は、中国に対する強力な軍事的抑止力となり、2026年の台湾海峡の安定を支える新たな柱となります。

出典: 中央通訊社(CNA)、自由時報 参考サイトのアドレス: https://japan.focustaiwan.tw/politics/202601290001


 

記事2:高雄で大規模な上陸阻止演習。ドローンとミサイルの「キルチェーン」を検証

 海岸の要塞:高雄・左営基地で上陸阻止演習。ドローンと「雄風」ミサイルによる精密迎撃を披露

1.ドローンによる「先制検知」と迅速な反撃

台湾海軍陸戦隊(海兵隊)は1月29日、南部・高雄の左営基地周辺で、中国軍による海上からの強襲上陸を想定した大規模な防衛演習を実施しました。

今回の演習の核心は、台湾製攻撃ドローンと高速ミサイル艇の連携です。

まずドローンが沖合の不審船を検知・識別し、その情報をリアルタイムで地上部隊へ共有。即座に「雄風」対艦ミサイルが機動発射台から「仮想敵艦」をロックオンする、一連の「キルチェーン」の速度と正確性が実戦形式で検証されました。

2.「一歩も引かない」沿岸防衛の覚悟

演習では、海岸線に潜伏したスナイパーによる狙撃や、障害物を用いた上陸拒否も行われました。

海軍の指揮官は「我々は敵の侵攻ルートを熟知しており、陸・海・空・デジタルの全領域で敵を殲滅する準備ができている」と断言。旧正月(春節)を前に実施されたこの演習は、国民に安心感を与えるとともに、中国に対して「台湾への上陸は莫大な犠牲を伴う」という具体的かつ強力な警告を送る狙いがあります。

日米との情報共有も念頭に置いた、高度な統合運用能力を誇示しました。

まとめ: 高雄での上陸阻止演習は、台湾が「ハリネズミ戦略」を完成させつつあることを示しました。安価なドローンと強力なミサイルを組み合わせた非対称な防衛網は、数で勝る中国軍の弱点を突き、侵攻のコストを最大化させます。この実戦的な備えこそが、2026年の平和を物理的に支えています。

出典: The Straits Times(現地ロイター報道引用)、青年日報 参考サイトのアドレス: https://www.straitstimes.com/asia/east-asia/taiwan-military-practices-repelling-a-chinese-assault-from-the-sea


 

 記事3:中国軍トップの「粛清」が台湾情勢に波及か。習近平氏の焦燥感

 北京の激震:中国軍幹部2名が失脚。習近平氏による「疑わしきは排除」の粛清が台湾侵攻を早める懸念

1.軍内部の腐敗と「忠誠心」への不信

1月29日、中国軍の制服組幹部2名が「深刻な規律違反」により失脚したとのニュースが、台湾の安全保障当局の間で大きな波紋を広げています。

報道によれば、習近平国家主席は軍内部の腐敗だけでなく、米国への機密漏洩の疑いにも神経を尖らせており、「ちょっとでも疑わしい人間はとにかく排除する」という強権的な粛清を加速させています。

これは、軍の指揮系統に混乱をもたらす一方で、習氏が軍を完全に掌握し、自身の政治目標である「台湾統一」へ突き進むための「地ならし」であるとの見方が出ています。

2.「2027年」に向けた独裁者の暴走

軍事専門家は、ベネズエラでの政権転換の試み(斬首作戦)など、米国が世界で見せている「力による現状変更への断固たる対応」が、逆に習氏を焦らせていると分析しています。

軍内部の反対派を排除したことで、習氏が自身の任期内、特に「2027年」までに武力行使に踏み切るリスクが高まっているとの指摘もあります。

台湾の国家安全局(NSC)は、この「内政の混乱による暴走」を2026年の最大のリスクの一つと定義し、中国国内の政情不安定が即座に台湾への攻撃に転嫁されないよう、警戒を最大レベルに引き上げています。

まとめ: 中国軍内部の粛清は、習近平氏の焦燥感と軍への不信感を露呈させています。これが軍の弱体化に繋がるのか、あるいは「侵攻のための純化」となるのか、台湾は極めて慎重に分析しています。独裁者の予測不能な動きに対し、台湾は「いかなる瞬間の暴走にも即応できる」体制の構築を急いでいます。

出典: J-CASTニュース(現地報道引用)、風傳媒(Storm Media) 参考サイトのアドレス: https://www.j-cast.com/2026/01/29511491.html


 

 記事4:海巡署、約1,900隻の中国「便旗船」を監視。海上民兵の脅威を警戒

海上の擬態:海巡署、中国の「便宜置籍船」など1,900隻をマーク。有事の「海上民兵」化を厳戒

1.漁船を装った「非伝統的な脅威」

台湾の海洋委員会海巡署(コーストガード)は1月29日、昨年末の軍事演習に参加した、あるいは台湾周辺で不審な動きを見せている中国の漁船や「便宜置籍船(便旗船)」計1,900隻をリストアップし、厳重な監視対象に設定したと発表しました。

これらの船舶は、表向きは商業活動を行っていますが、有事の際には中国軍の指示下で「海上民兵」として動き、台湾の主要港湾を物理的に封鎖したり、日米の支援艦隊の進路を妨害したりする役割を担っていると分析されています。

2.「法の武器化」による不法停泊の排除

海巡署の管碧玲主任委員(大臣)は、法改正に基づき、海底ケーブル周辺や重要航路での不自然な停泊( loitering )に対し、寄港拒否や立ち退き命令を強制できる権限を強化したと明言しました。

中国は「数の暴力」を用いて台湾の警備リソースを疲弊させる戦術をとっていますが、海巡署はAIを用いた船舶行動解析を導入し、どの船が工作員を乗せているかを特定する能力を高めています。

目に見える軍艦だけでなく、こうした「民間を装った侵食」をいかに未然に防ぐかが、2026年の海上警備の核心となっています。

まとめ: 海巡署による1,900隻の監視リスト化は、中国の「グレーゾーン戦術」に対する具体的な対抗措置です。漁船を盾にした非正規の圧力に対し、台湾は法とテクノロジーを駆使して「海上の秩序」を死守。この緻密な監視網が、不意の封鎖や工作を未然に防ぐ強力な防壁となっています。

出典: 台北時報(Taipei Times)、中央通訊社(CNA) 参考サイトのアドレス: https://www.taipeitimes.com/News/front/archives/2026/01/29/2003851391


 

記事5:日中航空便の「全キャンセル」報道、日本への内政干渉の疑い

経済の武器化:中国、日中航空便の「全キャンセル」を示唆。解散総選挙への「内政干渉」を狙った揺さぶりか

1.観光客を「政治のカード」に

1月29日、中国当局が日本向けの団体旅行や航空便の一部について、事実上の全キャンセルに近い制限を検討しているとの報道が、台湾および日本のメディアで大きな話題となっています。

中国側は「安全上の理由」を挙げていますが、台湾の専門家は「これは日本の『解散総選挙』の時期を狙った、露骨な内政干渉である」と分析。

インバウンド需要に頼る日本の地域経済を冷え込ませ、台湾支持を打ち出す日本の政治家への支持を揺るがそうとする「経済的報復」の新たな形です。

2.「次は台湾」という警告としてのメッセージ

この動きは、日本だけでなく台湾に対しても「中国に背けば経済的な報復を厭わない」という強力なデモンストレーションとして機能しています。

しかし、台湾外交部は「特定の国による観光の武器化は、かえって国際社会の反発を招くだけだ」と指摘。日台が協力して「経済的な中国依存」を脱却し、供給網だけでなく観光客の源泉も多角化させる「経済的レジリエンス」の構築が急務であると説いています。

2026年、中国の「人を動かす圧力」に対し、自由陣営がどう連帯するかが試されています。

まとめ: 日中航空便を巡る揺さぶりは、中国が「人の流れ」を外交の武器として常用し始めたことを示しています。日本の政治を揺さぶり、台湾との絆を断とうとするこの試みに対し、日台は経済的な強靭性を高めることで対抗。不当な圧力に屈しない「自由な往来」の維持が、抑止力の質を左右します。

出典: ニューズウィーク日本版、聯合報 参考サイトのアドレス: https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2026/01/585824.php


 

記事6:親中派政党主席に懲役10年の確定判決。国家安全法違反の厳罰化

内部の浄化:親中派「復康聯盟党」主席に懲役10年確定。軍事情報の中国提供に「国家安全法」の鉄槌

1.退役軍人による「裏切り」の代償

台湾最高裁は1月29日、台湾軍の退役軍人で親中派政党「復康聯盟党」の屈宏義主席に対し、軍事施設などの情報を中国側に提供した国家安全法違反の罪で、懲役10年とする高裁判決を支持し、上告を棄却しました。

これにより屈被告の刑が確定しました。被告は、現役・退役軍人を組織し、中国の指示の下で情報の収集や浸透工作を行っていたとされています。今回の判決は、国家の安全を脅かす「内部の敵」に対し、司法がかつてない厳罰で臨む姿勢を明確に示したものです。

2.「民主主義の防衛」としての司法判断

台湾社会では近年、中国による「内側からの崩壊」を狙った工作に対する警戒心が最高潮に達しています。

検察当局は「言論の自由や政党活動は尊重するが、敵対勢力への情報提供は主権への反逆である」と強調。

今回の10年という重い刑期は、同様の工作に従事する可能性のある者たちへの強力な「法的抑止力」となります。

内政部は、2026年を通じて防諜体制をさらに強化し、軍・官・民の各レベルで中国の汚い手口を封じ込めることで、社会の強靭性を法的に担保する方針です。

まとめ: 親中派政党主席への10年判決確定は、台湾が「法の支配」によって中国の浸透工作を打ち破る決意を示したものです。外部の軍事圧力に呼応する「内部の裏切り」を許さない厳格な司法判断は、有事における社会の結束を維持するための、目に見えないが極めて重要な防衛線となります。

出典: 読売新聞オンライン(現地自由時報報道に基づく)、中央通訊社(CNA) 参考サイトのアドレス: https://www.yomiuri.co.jp/world/20260129-GYT1T00311/