台湾最新ユース2025年12月12日

  

①:台湾「中国が海峡で外国艦艇に模擬攻撃を仕掛けることがある」と発表

台湾の国防当局は、中国人民解放軍が東シナ海や台湾海峡で、外国海軍艦艇に対して模擬攻撃訓練を実施していると発表した。これは実際の戦闘ではなく“シナリオ訓練”だとしているものの、周辺海域を航行する米国や他国艦艇の動きに対応し、攻撃・防御行動を繰り返すものだという。

台湾側は「中国軍の目的は抑止力と威嚇」と分析しており、中国軍機・艦艇が台湾周辺空域・海域で活発に行動している状況を安全保障専門家も懸念している。特に、米軍や日本・オーストラリア海軍との合同演習が増える中、中国が模擬攻撃を実施する頻度も増加しているとの観測がある。また、こうした動きは台湾国内でも防衛予算増額や装備強化の議論を後押しし、民間でも防衛体制見直しへの関心が高まっている。

台湾政府は引き続き軍事的・外交的な情報共有の強化を進める方針だが、地域情勢の不透明さが増す中で周辺国との協力が重要になっている。

出典:Reuters「Taiwan says China sometimes stages mock attacks on foreign navy ships in strait」


②:台湾・日本、対中軍事活動を懸念 — 共同声明で安定重視を強調

台湾と日本は共同で軍事協力を進める枠組みの中で、中国軍の軍事行動について深刻な懸念を表明した。

両政府は声明で、中国軍機・艦艇が台湾周辺での活動を強化していることが地域の緊張を高めていると指摘し、地域の「平和と安定」を維持する必要性を強調した。この声明は、防衛当局間の対話と情報共有を継続するとともに、緊張緩和に向けた透明性の確保を求める内容となっている。背

景には、東シナ海・台湾海峡を含む周辺海空域における中国の軍事活動が、近隣国の航行や飛行の自由を脅かす可能性があるという共通認識がある。台湾側は、台湾海峡の現状維持を日本と共有し、いかなる一方的な現状変更にも反対する姿勢を示している。また、日本側は台湾情勢が自国の安全保障にも直結するとして、国際社会と連携した対応の必要性を訴えている。両国の防衛当局は今後も連携を強化し、合同演習や情報交換を継続する方針だ。


出典:Reuters「Taiwan, Japan voice concern over Chinese military movements」


③:AI 需要で台湾 11 月輸出が15 年ぶりの伸び — 世界需要がけん引

2025年11月の台湾輸出額は、人工知能(AI)関連製品や高性能コンピューティング(HPC)向け部品の需要拡大を背景に、15年以上ぶりの大幅な伸びを記録した。

台湾財政部によると、ドルベースでの輸出が前年比で大きく増加し、ICT および半導体関連製品が成長を牽引したという。特に米国や欧州市場向けの受注が好調で、世界的なデジタル化・AI 投資の拡大を反映している。

専門家は「AI サーバーやデータセンター向けのハードウェア需要が依然として強い」と評価しており、台湾の半導体製造・輸出業界にとって追い風になっている。また、こうした輸出拡大は台湾国内の経済成長にも寄与し、中小企業のサプライチェーン参加や雇用創出にも好影響が見込まれている。

政府は技術人材育成や生産拠点のデジタル化支援をさらに強化し、長期的な競争力維持につなげる方針だ。日本企業とも部品・素材分野での協業が進展しており、今後の投資・貿易拡大が期待される。


出典:Reuters「AI demand powers Taiwan November exports to fastest growth in 15-12 years」


④:中国が台湾主権を強調 — トランプ米政権の安全保障戦略発表を受けて

中国政府は、ドナルド・トランプ米大統領率いる米政府が新たな安全保障戦略を発表したことを受け、「台湾を含む領土主権を堅持する」との立場を強調する公式声明を発表した。

中国側は声明で、「一つの中国」原則の立場を再確認し、台湾問題に対する外部からの干渉を強くけん制した。

この声明は、米国の安全保障戦略が中国を対抗勢力として位置付けたことへの反応であり、地域における軍事的均衡と緊張関係を反映している。台湾側は独自の民主制度と国際貢献を強調しつつ、外交的対話や多国間の協力によって平和的解決を目指す姿勢を示している。

米中対立が激化する中で、台湾海峡の情勢は引き続き東アジアの安全保障環境に大きな影響を及ぼすとみられる。この発言を受けて台湾政府は外交ルートで他国との情報共有を強化し、地域の安定を維持するための戦略的調整を進めている。


出典:Reuters「China vows to defend sovereignty over Taiwan as Trump unveils security strategy」


⑤:台湾、2025 年の輸出受注が記録的水準へ — AI 需要の長期継続を示唆

台湾の業界関係者や経済分析では、2025 年の輸出受注が AI 関連製品や半導体部品需要の長期的な拡大により 過去最高水準に達する可能性 が浮上している。特にデータセンターやクラウドコンピューティング市場向けの部品受注が強く、輸出先である米国・欧州などでも AI 投資が加速しているという。

台湾の主要メーカーは設備投資を増強し、先端プロセスや 3D パッケージ技術への対応を進めている。これにより、台湾の製造業が世界的なテクノロジー供給網の中心的役割を強化するとの見方が強まっている。

台湾政府は、技術人材育成や研究開発支援を一層推進し、サプライチェーンの強靱化を図る方針だ。

国内では製造設備の自動化やエネルギー効率改善も進められており、持続可能な成長基盤の構築が注目されている。この動きは日本企業にとっても、部品供給や技術協力の新たな機会を提供すると期待される。


出典:Reuters(関連報道)