2025年12月22日の台湾国内ニュース |
民主主義の防壁と国際連携の強化
頼清徳総統は21日、国家安全会議(NSC)が策定した最新の「国家安全保障戦略報告書」を承認しました。この報告書では、台湾海峡の平和と安定が世界の繁栄に不可欠であることを改めて強調し、「実力による平和(Peace through strength)」を基本方針に掲げています。具体的には、非対称戦力の拡充、経済的威圧への耐性強化、そして偽情報対策を含むサイバー防衛の重要性が明記されました。
多角的な外交と経済安保の統合
報告書の中立的な側面として注目されるのは、軍事面だけでなく「経済安全保障」を国家安全保障の柱の一つに据えた点です。半導体サプライチェーンの優位性を活かし、国際社会との「経済的紐帯」を深めることで、抑止力を高める戦略が示されています。また、特定の国との対立を煽るのではなく、ルールに基づいた国際秩序の維持を訴えており、台湾が国際社会の責任あるパートナーであることを国内外にアピールする内容となっています。
まとめ
最新の戦略報告書は、軍事、経済、情報の三方位から台湾の自主独立を守り抜き、国際的な連携を通じて台湾海峡の現状を維持する決意を示すものとなっています。
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2. 【経済】台湾の「グリーンボンド」発行額、過去最高を更新 脱炭素投資が加速
金融市場を牽引するサステナブル投資
金融監督管理委員会(金管会)の発表によると、2025年における台湾企業のグリーンボンド(環境債)発行額が、統計開始以来の過去最高を更新しました。これは、TSMC(台積電)などの大手ハイテク企業が、再生可能エネルギーの調達や省エネ設備の導入資金を確保するために、積極的に市場から資金を調達したことが主な要因です。台湾の金融市場において、環境・社会・ガバナンス(ESG)投資が完全に主流化したことを裏付けています。
中小企業のグリーン転換への課題
一方で、大手企業による資金調達が順調な反面、資金力や専門知識が不足している中小企業の脱炭素化が課題となっています。金管会は、中小企業がグリーン金融の恩恵を受けられるよう、簡素化された審査基準の導入や、政府系銀行による低利融資枠の拡大を検討しています。中立的な経済専門家は、産業全体の競争力を維持するためには、サプライチェーン全体での底上げが不可欠であると指摘しています。
まとめ
台湾のグリーン金融市場の拡大は、ハイテク産業の持続可能性を支える重要な柱となっていますが、今後は中小企業を含めた包括的な支援体制の構築が焦点となります。
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3. 【教育】デジタル発展部、高齢者向け「AI・リテラシー教室」を全土で展開
デジタル格差の解消に向けた国家プロジェクト
デジタル発展部(デジタル庁)は、高齢者のデジタル孤立を防ぎ、生成AIなどの最新技術を安全に利用できるよう、全国のコミュニティセンターで「AIリテラシー教室」を開始しました。このプロジェクトは、スマートフォンの基本操作から、AIを使った健康管理、さらには高度化する特殊詐欺やフェイクニュースを見破る力の養成まで、幅広いカリキュラムを提供しています。
「生涯学習」による社会の強靭化
教育部は、この試みを生涯学習の重要な一環と位置づけ、大学生がボランティアとして高齢者に教える「世代間交流型」の学習スタイルも推進しています。中立的な視点では、高齢者のデジタルスキル向上は、行政サービスのオンライン化によるコスト削減だけでなく、災害時の迅速な情報伝達や孤独死防止などの社会課題解決にも直結します。台湾は「全世代がデジタル化の恩恵を受けられる社会」のモデルケースを目指しています。
まとめ
高齢者へのAI教育は、個人の生活の質を向上させるだけでなく、社会全体のデジタルレジリエンス(強靭性)を高めるための重要な投資となっています。
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4. 【日本関連】台湾・高雄港と日本・横浜港が「スマート港湾」協力協定を締結
港湾DXとグリーン物流の共同開発
台湾最大の貿易港である高雄港を運営する台湾港務公司と、日本の横浜港(横浜川崎国際港湾株式会社)は21日、デジタルトランスフォーメーション(DX)と環境負荷低減(GX)を軸とした協力協定を締結しました。両港は今後、AIを活用したコンテナターミナルの自動化や、水素・アンモニアなど次世代エネルギーの供給拠点の共同整備に向けた実務的な情報交換を開始します。
日台物流の効率化と経済安全保障
この連携は、日台間の物流コスト削減だけでなく、災害時や緊急時の物流ルートの代替性確保といった「経済安全保障」の観点からも大きな意味を持ちます。中立的な専門家は、共に島国であり輸出入に依存する日台にとって、港湾の強靭化とスマート化は共通の急務であると述べています。今回の協定により、双方の港湾管理技術が融合し、アジア太平洋地域における競争力がさらに向上することが期待されます。
まとめ
高雄港と横浜港の提携は、先端技術と環境対策を融合させた「未来の港湾」の姿を日台共同で構築していく、歴史的な一歩となります。
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5. 【文化】台湾の「廟宇(びょうう)装飾技術」が若手職人の手で再生
伝統工芸と現代アートの融合
台湾各地にある寺院(廟宇)を彩る、精巧な彫刻や彩色技術、特に「剪粘(せんねん:陶器の破片を用いた装飾)」や「交趾陶(こうしとう)」といった伝統工芸が、若手アーティストたちの手によって現代的にアップデートされています。文化部(文化省)の支援により、伝統的な技法を守りつつも、デザインに現代的な感覚を取り入れた作品が、美術館や公共施設での展示を通じて注目を集めています。
信仰の場から「美の拠点」へ
かつては特定の職人にのみ受け継がれていた技術が、近年では大学の芸術学部との連携により、学術的に体系化され、門戸が開かれつつあります。中立的な文化評論家は、信仰心に基づく伝統が、現代のクリエイティブ産業と結びつくことで、台湾固有の美学として世界に通用するブランドになりつつあると指摘しています。これにより、老朽化した寺院の修復だけでなく、新しい台湾スタイルの空間デザインとしての可能性も広がっています。
まとめ
台湾の廟宇文化は、若手職人の情熱とテクノロジーの融合により、宗教の枠を超えた「生きた芸術」として、次世代へと力強く引き継がれています。
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6. 【観光・グルメ】美食の街・台南で楽しむ「朝ごはん」と「古民家カフェ」
早起きしてでも食べたい!絶品「牛肉湯(牛肉スープ)」
台湾の古都・台南を訪れる日本人にぜひ体験してほしいのが、早朝から始まる台南流の朝ごはんです。その代表格が、新鮮な生の牛肉に熱々のスープをかけて提供する「牛肉湯(ニウロウタン)」。早朝に屠畜されたばかりの新鮮な肉を使うため、肉の甘みと柔らかさが際立ちます。一口飲めば身体が目覚めるような、滋味深い味わいは一度食べたら忘れられません。有名店だけでなく、地元の人が通う小さなお店を巡るのも旅の醍醐味です。
歴史をリノベーションした「路地裏の古民家カフェ」
食後は、台南独特の細い路地(巷弄)を散策してみてください。日本統治時代の建物をリノベーションしたお洒落なカフェが点在しており、ノスタルジックな雰囲気の中で本格的な台湾コーヒーやスイーツを楽しめます。台南は、古いものを大切にしながら新しい価値を見出すのが非常に上手な街です。歴史の息吹を感じる空間でゆっくりと流れる時間は、慌ただしい日常を忘れさせてくれる、日本人にぴったりの癒やしのひとときとなるでしょう。
まとめ
新鮮な牛肉スープで始まる贅沢な朝と、歴史を刻んだ古民家でのティータイム。台南には、五感で楽しむ最高の「ゆる旅」が待っています。
