台湾最新ニュース 2025年12月7日

  

1. 台湾、AIブームで2025年GDP成長率見通しを大幅上方 — 電子・半導体輸出がけん引

台湾の第3四半期(7–9月)実質GDP成長率は前年同期比8.21%を記録。これを受け、政府は2025年通年の成長率を7.37%と予測しました。背景には、世界的なAIおよびハイパフォーマンス演算(HPC)需要の急増による半導体・電子機器の輸出拡大があります。輸出増加が経済全体を押し上げ、台湾が「AI需要バブル」の恩恵を受けていることが明らかとなりました。 一方で、好景気の波が必ずしも国民全体に及んでいるわけではなく、国内の所得格差や実質賃金の伸び悩みなどの課題も指摘されています。


情報ソース:金融紙、国際報道など ft.com+2jetro.go.jp+2


2. 2025年10月、台湾輸出が前年比+49.7% — 単月として過去最高額

2025年10月の台湾輸出額は前年比+49.7%、総額 618.0 億米ドルとなり、過去16年で最大の伸びを記録しました。特に半導体やAI関連部品などハイテク製品の輸出が好調で、米国向け輸出は20%の関税がかかるにもかかわらず前年比大幅増。AIやサーバー需要、年末商戦に向けた注文の増加が背景にあります。台湾のハイテク産業がグローバル需給の変化を巧みに捉えていることを示すデータといえます。日本の製造業やサプライチェーン運営者にとっても、台湾の動向は供給先・パートナー先選びの重要な判断材料となるでしょう。


情報ソース:台湾財政部、Reuters報道 Reuters+2Investing.com+2


3. 台湾、汎用技術の輸出規制を強化 — 量子技術・先端半導体装置などをデュアルユース規制へ

2025年11月、台湾経済部は、量子コンピュータ、先進半導体設備、3Dプリンタなど 18 品目を「軍民兼用(デュアルユース)」技術に指定する改定案を発表しました。これは、これら先端技術が軍事用途へ転用されるリスクを念頭に置いたもので、輸出には政府の許認可が必要になります。台湾は国際的な安全保障や輸出管理の動きに追随する形で、技術流出防止に乗り出した格好です。日本企業や研究機関で部品調達や技術協力をする際、今後は関係当局の許認可や手続き状況に注意する必要があります。


情報ソース:Reuters報道 Reuters


4. 台湾、金融ハブ強化へ「Taiwan Weeks」開催 — アジア資産運用の拠点化を目指す

2025年10月、台湾は「Taiwan Weeks」と題した国際金融イベントを立ち上げ、アジアの資産運用センターとしての地位強化を宣言しました。150社以上の上場企業、100以上の金融機関、世界中の機関投資家や証券取引所が参加し、資金流入の受け皿拡大、金融市場の整備、資産運用関連制度の透明性向上などが議論されました。日本の投資家や資産運用業者にとって、台湾をアジア投資ポートフォリオの一つとして真剣に検討する価値が高まっています。為替リスクや地政学リスクを踏まえつつ、分散投資先としての台湾の可能性が浮上しています。


情報ソース:AFPBB News “Taiwan Weeks 開催” afpbb.com


5. 台湾経済の好調でも国民の恩恵は限定的 — AIバブルの陰で広がる格差

AIと半導体ブームによって台湾経済は急成長していますが、その恩恵が国民全体に及んでいるわけではないとの報告があります。高成長にもかかわらず、実質賃金の伸び悩みや格差拡大、伝統産業や中小企業の低迷などが課題として浮上。特に、電子・半導体セクターが好調な一方で、自動車部品、機械、伝統製造業などはコスト高や人手不足、為替上昇の影響で苦戦しています。政策による再分配や雇用支援、産業の多様化が今後の鍵になりそうです。日本の産業構造や政策設計の参考になる点も多く、台湾経済の“栄光と歪み”を俯瞰する好機と言えます。


情報ソース:国際報道サイト MyTaiwanLife、日本語報道など mytaiwanlife.com+2ft.com+2