本日の7本記事(2025年11月21日配信) |
① 「中国軍、2035年までに台湾海峡封鎖能力を強化か —国防部報告書が示す長期戦略」
台湾国防部は、中国人民解放軍が2035年までに台湾封鎖(A2/AD)能力を完成させる計画を報告。日本を含む地域安全保障に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
台湾国防部は最新の報告書で、中国が2035年までに封鎖・接近阻止能力(A2/AD)を本格整備し、台湾海峡を戦略的圧力の主要拠点とする可能性を指摘しました。報告によると、中国は第2列島線(伊豆・小笠原諸島~グアム)内で戦力を配置し、台湾の周辺海域を常態的に監視。封鎖や航行禁止区域の設定、海警の常駐、演習と連動した実弾訓練などの複数戦術が想定され、その狙いは台湾を「内海化」することにあると分析されています。台湾側はこの戦略を深刻な長期リスクと捉え、封鎖耐性を持つ防衛体制の構築を急いでいます。日本を含む域内諸国にとっても、台湾海峡の戦略的重要性が一段と増しており、防衛協力や警戒態勢を強化する必要があるとの指摘が高まっています。
出典: ワイズコンサルティング ys-consulting.com.tw
②「台湾、2025年国防報告書を発表 — AI/ドローン防衛や先端兵器を強化」
台湾は最新の国防報告書で、AIとドローンシステムの強化や戦車・ミサイルの導入など、防衛力近代化の戦略を明らかにしました。
台湾国防部は2025年度版の国防報告書を公表しました。頼清徳総統就任後初の報告書で、台湾が直面する中国からの安全保障リスクを分析。特に注目されるのは、無人機(ドローン)防衛の優先化、人工知能(AI)を活用した指揮・管制システムへの投資です。加えて、戦車(M1A2T型など)、HIMARS(高機動ロケット砲)、F-16C/D ブロック70といった近代兵器の導入計画があります。これらの装備強化は、台湾の防衛能力を底上げし、ハイブリッド脅威への耐性を高める狙いがあります。報告書はまた、こうした軍備の近代化に伴い、運用規定や指揮構造といった制度面の整備も必要と強調しています。台湾は軍事技術と戦術の両面で戦略的なアップデートを図っており、これが中長期的な安全保障力の鍵になるとみられています。
出典: ワイズコンサルティング ys-consulting.com.tw
③ 「中国軍機27機が台湾周辺空域に侵入 —台湾国防部が立て続けに警戒発表」
台湾国防部は4月30日、中国の軍用機27機が台湾周辺で活動し、20機が中間線を超えて空域侵入と発表。緊張の高まりが続いています。
台湾国防部は、2025年4月30日の午後、少なくとも27機の中国軍用機が台湾周辺の空域で活動し、そのうち20機が台湾海峡の中間線を越えて北部・中部・南西部の空域に侵入したと発表しました。これらの飛行は対峙空域の常態化を示すもので、台湾の防空意識の高まりを裏付けています。国防部はこのような飛行パターンが日常化しつつあることを懸念しており、緊急対応能力の強化、レーダー網の拡充、訓練体制の維持などを進める方針です。台湾の地理的な戦略的重要性とともに、こうした空域侵入は日本や地域諸国にとっても安全保障上の警戒すべきシグナルとなっています。
出典: RTI 台湾国際放送 jp.rti.org.tw
④「中国、台湾を5つの手段で包囲か —海外メディア報道に台湾国防部が反論」
海外メディアは中国が5つの戦略で台湾を包囲する構えと報じるも、台湾国防部は「全て想定済み」と反論。
海外メディアの報道によれば、中国は軍事演習、海上封鎖、情報戦、サイバー攻撃、経済圧力の5つの手段を通じて台湾を包囲する戦略を進めていると指摘されています。これに対し、台湾国防部は公式声明で「これらの可能性はいずれも想定内」であり、国際社会からの支援と自国防衛能力の強化両方で対抗する準備があると述べています。台湾は地政学的リスクに対し怯むのではなく、外交・防衛の両軸で対応を強化。日本を含む同盟国との連携を通じ、安全保障ネットワークを築く必要性を改めて示しています。
出典: Rti 台湾国際放送 jp.rti.org.tw
⑤ 「中国のサイバー攻撃、台湾平均1日280万件 —国家安全局が“トロール軍団”の存在を警戒」
台湾国家安全局は、中国からのサイバー攻撃が急増。1日平均2.8百万件にのぼると報告され、“オンライン・トロール軍団”の関与も指摘されています。
台湾国家安全局の報告によると、2025年には中国からのサイバー攻撃が急増し、平均で1日約280万件に達しています。攻撃対象は通信、防衛、医療、エネルギーなど重要な国家インフラに及んでおり、単なる情報収集や妨害にとどまらない多層的な戦略とみられています。報告書では、「オンライン・トロール軍団」がSNSや闇ウェブ、フォーラム、国家メディアを使って偽情報を拡散し、台湾国内の世論分断や不信感を煽る活動が観測されていると警告。AI技術を用いたミーム型コンテンツの生成・拡散も確認されており、これが台湾内の不安や政治的緊張を増幅させる狙いがあるとの分析です。台湾はサイバー防衛力の強化とともに、市民の情報リテラシー向上も課題としており、日常からのレジリエンス構築が急務とされています。
出典: Reuters Reuters
⑥ 「中国、台湾ハッカーへの懸賞金を提示 —台湾サイバー部隊“報復”の構え」
中国当局が台湾軍のサイバー部隊に属するとされる人物に懸賞金を提示。一方、台湾側は恐れず対応を強調しています。
中国・広州の公安当局は、台湾軍のサイバー部隊(情報通信電子部隊)に所属すると疑われる20人のハッカーに対し、懸賞金を提示しました。公開されたのは名前や身分証番号を含む情報で、これに対し台湾国防省は「中国の法体系は台湾の管轄外」「我々は恐れない」と強く反発。台湾のサイバー部隊は、防衛目的の活動を正当なものと主張しており、中国の報復や脅迫を許さない構えを見せています。また、この出来事は、中国がサイバー空間を通じて政治的圧力をかける戦略の一環との見方もあり、台湾にとってサイバー戦力は重要な防衛軸として再認識されています。
出典: The Straits Times The Straits Times
⑦「台湾、24本の海底ケーブル防衛を強化 —中国関連勢力船舶の活動に警戒」
台湾海洋当局が24本の海底通信ケーブルを守るため、24時間体制で監視強化。中国関連船舶の影響を強く警戒しています。
台湾は重要なインターネット回線を支える24本の海底ケーブルに対する防衛を強化しています。海上保安部および関係当局は、中国系とみられる96隻のブラックリスト船舶を重点監視し、24時間体制で警戒を強めています。最近の報道では、これらの船舶が海底ケーブル付近を航行し、サイバー攻撃や物理破壊を通じたハイブリッド戦の一環とみなされている可能性があると指摘されており、台湾は通信基盤の安全性確保を国家安全保障上の最重要課題と位置づけています。通信ネットワークが断たれれば情報流通の混乱はもちろん、軍・経済・社会への深刻なダメージが予想されるため、台湾は防衛リソースを海底インフラ防衛にも振り向け始めている状況です。
出典: Tom’s Hardware Tom's Hardware
