2025年12月27日の台湾国内ニュース |
1. 【政治】台北市副市長が訪中、上海で「双城論壇(都市フォーラム)」開幕
蒋万安市長に代わり林奕華副市長が120人を率い上海へ
台北市の林奕華副市長は27日朝、蔣万安市長の代理として約120人の代表団を率い、上海で開催される「台北・上海都市フォーラム(双城論壇)」に参加するため桃園国際空港を出発しました。蔣市長は現在、立法院での予算審議や台北駅襲撃事件を受けた安全対策の陣頭指揮にあたっており、今回の代理派遣となりました。林副市長は「両都市の対話は台湾海峡の緊張を和らげ、実務的な交流を維持するために不可欠である」と出発前に強調しました。
持続可能な都市と文化交流のMOU締結へ
今回のフォーラムでは、スマート医療および文化保存に関する2つの協力覚書(MOU)を締結する予定です。中立的な外交専門家は、頼清徳政権下で中台の公的対話が停滞する中、唯一残された公的な交流ルートとしての「双城論壇」の重要性を指摘しています。林副市長は、上海市長との面会も予定しており、観光、経済、そして若者の交流について具体的な意見交換を行う方針です。
まとめ
台北と上海の都市間交流は、政治的緊張を超えた「実務的な窓口」としての役割を果たしており、今回のフォーラムが両岸の冷え切った関係にどのような影響を与えるかが注目されます。
出典・参考サイト
台北市政府 プレスリリース
中央通訊社(CNA) 兩岸ニュース
参考:中央社 CNA
2. 【経済】立法院、2.8兆元の「2026年度総予算案」が越年確実か
与野党の深い溝、歳出3兆元の巨額予算審議が難航
立法院(国会)で審議中の2026年度(民国115年度)中央政府総予算案について、27日、与野党の合意に至らず、成立が年明けにずれ込むことがほぼ確実となりました。今回の予算は、歳入約2兆8,600億元、歳出約3兆300億元と過去最大規模ですが、野党側(国民党・民衆党)は、財政収支画分法の改正案に伴う地方への配分増や、特定の基金の不透明さを理由に、審議を拒否または厳格な削減を求めています。
国家プロジェクトへの「暫定予算」適用の影響
予算案が年内に成立しない場合、法律に基づく義務的経費などは「暫定予算」として執行可能ですが、新規プロジェクトや設備投資は停止します。中立的な経済専門家は、特にAIインフラの整備や、電力供給網の強靭化といった重要事業が遅延することで、民間投資にも悪影響が出ると警告しています。行政院は、国民生活への影響を最小限にするため、野党側との最終調整を急いでいます。
まとめ
総予算案の停滞は台湾の政治的混迷を象徴しており、国家運営の効率性と経済成長を維持するための与野党間の妥協点探しが急務となっています。
出典・参考サイト
行政院 主計総処 統計資料
中央通訊社(CNA) 政治分析
参考:中央社 CNA
3. 【社会】士林夜市の「空室率」が過去最高水準、台北市が振興案を検討
観光客の分散と消費モデルの変化に直面
かつて台湾最大の夜市として栄えた台北市の「士林夜市」において、周辺店舗の空置率(空室率)が上昇し、人出が減少していることが台北市議会の指摘で明らかになりました。市当局の調査によると、地下美食街のリニューアルなどハード面の整備は進んだものの、依然としてコロナ禍前の活気を取り戻せていない店舗が多く、一部では撤退が相次いでいます。
2026年1月に「夜市振興プロジェクト」始動へ
台北市市場処は27日、来年1月より観光局や経済発展局と連携した「夜市振興専案(プロジェクト)」を立ち上げると発表しました。これには、単なる割引キャンペーンだけでなく、デジタル決済の完全導入、外国人観光客向けの多言語対応、さらには「過剰な呼び込み」の制限など、質の向上を目指す施策が含まれます。中立的な市場分析では、SNS映えを狙った新しいコンセプトの店舗誘致が若年層のリピーター獲得に不可欠であるとされています。
まとめ
士林夜市の苦境は、台湾の伝統的な観光地が「量から質」への転換を迫られていることを示しており、台北市の次の一手が注目されます。
出典・参考サイト
台北市市場処 業務報告
中央通訊社(CNA) 地方ニュース
参考:中央社 CNA
4. 【日本関連】日本・宏都拉斯(ホンジュラス)新大統領の「台湾寄りの姿勢」を歓迎
「台湾との関係は過去より100倍良かった」発言に注目
27日、中米ホンジュラスの大統領選挙において、野党・国家党のナズリ・アスフラ(Papi a la Orden)氏が当選を果たしました。アスフラ氏は選前より、現職の左派政権が中国と国交を結んだことで経済が停滞したと批判し、「台湾と国交があった時の方が100倍良かった」と発言しており、外交関係の再考を示唆しています。これに対し、台湾外交部は「中南米の民主主義の進展を歓迎する」との声明を発表しました。
日本との協力による「第三国での支援」も視野
日本と台湾は、かつてホンジュラスにおいて共同で医療や農業支援を行ってきた経緯があります。中立的な外交専門家は、アスフラ新政権が台湾との関係を改善させれば、日本、台湾、米国の3カ国が連携して同国の経済発展を支援する「多国間協力モデル」が復活する可能性があると見ています。これは、中国の「一帯一路」に対抗する民主主義陣営の結束を強化する動きとして注目されています。
まとめ
ホンジュラスの政権交代は、台湾の外交空間にとって大きな追い風となる可能性があり、日台の国際協力にとっても新たな機会を生む可能性があります。
出典・参考サイト
中華民国外交部 ニュースリリース
中央通訊社(CNA) 国際ニュース
参考:中央社 CNA
5. 【教育】台湾の「無人機(ドローン)」人材、タイ市場へ進出加速
中国製排除の動きを受け、台湾ブランドの優位性高まる
台湾の教育省とデジタル発展部は27日、台湾の高等教育機関で育成されたドローン技術人材が、タイの農業およびインフラ点検市場へ進出するための共同プロジェクトを開始したと発表しました。現在、世界的に中国製無人機の情報セキュリティ懸念が高まる中、タイ政府は台湾製の「クリーンなサプライチェーン」に基づく無人機技術の導入を求めています。
産学連携による海外拠点設置
国立成功大学などの教育機関は、タイの主要大学と連携し、現地でドローンの操作・メンテナンス・データ分析を教えるトレーニングセンターを設置します。中立的な視点では、これは単なる技術輸出だけでなく、台湾の高度なIT人材がグローバルに活躍するための新しい教育モデルとなります。これにより、台湾は東南アジアにおける「ドローン技術の教育ハブ」としての地位を確立することを目指しています。
まとめ
ドローン産業を通じた台湾の海外人材育成は、安全保障と経済的利益を両立させる「教育外交」の新たな成功事例となりつつあります。
出典・参考サイト
経済部 産業発展署 報告
中央通訊社(CNA) 経済ニュース
参考:中央社 CNA
6. 【観光・グルメ】年末年始は「台東」へ!黄金のキヌア料理と温泉の癒やし
「宇宙赤キヌア」の初収穫で話題の台東で健康旅
今、台湾国内で最も注目されている観光地が東部の「台東」です。先日、宇宙から帰還した種を栽培した「宇宙赤キヌア」の初収穫が報じられ、地元のレストランでは赤キヌアをふんだんに使った「健康長寿御膳」が人気を博しています。キヌア特有のプチプチした食感と、台東産の新鮮な野菜・地鶏を組み合わせた料理は、日本人観光客の口にも合う繊細な味わいで、年末の疲れた身体を癒やすのに最適です。
太平洋を望む「知本温泉」で絶景の入浴体験
食後は、台東の名湯「知本(チーペン)温泉」へ。弱アルカリ性の炭酸水素塩泉は「美肌の湯」として知られ、しっとりとした肌触りが特徴です。特に、太平洋を一望できる露天風呂があるホテルは予約が殺到しています。12月末の台東は気温が20度前後と過ごしやすく、夜は満天の星空の下でゆっくりと温泉に浸かることができます。自然豊かな台東での「スローツーリズム」は、都会の喧騒を離れた最高の年越しを提供してくれます。
まとめ
宇宙の夢を乗せたキヌア料理と、大自然の中の温泉。台東の年末年始は、心身ともにリフレッシュしたい日本人の皆様に最もおすすめしたい「隠れ家ルート」です。
