台湾最新ニュース2025年11月20日

  

1.Google、台湾に米国外最大のAIハードウェア拠点を設立

米アルファベット傘下の Google は、台湾・台北市に米国外最大規模のAIインフラ・ハードウェアエンジニアリングセンターを開設しました。台湾政府発表によれば、この施設はGoogleのグローバルデータセンター向けAIチップ統合・サーバー母板設計を担い、「単なるオフィス投資ではなく、エコシステムへの投資であり、台湾が世界のAI革新ハブであることを示す」ものと位置付けられています。台湾の Taiwan Semiconductor Manufacturing Company(TSMC)を核とする半導体サプライチェーンや、民主的な投資環境・知的財産保護制度を背景に、米台の技術連携強化とサプライチェーンの安全保障的価値が改めて注目されます。台湾・賴清德総統も「この拠点は台湾の長期的な投資先としての信頼の証である」と述べ、台湾がAI「島」としての地位を確立する一歩との見方を示しました。
情報ソースhttps://www.reuters.com/world/asia-pacific/google-opens-new-ai-engineering-centre-taiwan-2025-11-20/ Reuters+1

 


2.台湾、デュアルユース技術の輸出規制を強化へ

台湾政府の経済部国際貿易局は、量子コンピュータや先進半導体装置など「民・軍共用(デュアルユース)技術」の輸出管理リストを改訂し、18品目を追加する方針を発表しました。国内法「貿易法」第13条に基づき、60日間のパブリックレビューを実施後、最終規則を策定する予定です。対象カテゴリには高度3Dプリンタ、低温ウエハプローブ装置、走査電子顕微鏡などが含まれ、輸出に際して事前許可が必須となります。ロシアのウクライナ侵攻以降、台湾は武器拡散防止・技術流出防御の観点から、国際輸出管理体制を強化しており、今回の改定もその延長線上にあります。こうした動きは、台湾のハイテク産業に対する地政学的・安全保障的プレッシャーを改めて浮き彫りにし、サプライチェーンを持つ日本企業・投資家にとっても注視すべき規制環境変化となります。
情報ソースhttps://www.reuters.com/world/asia-pacific/taiwan-further-tighten-export-controls-dual-use-technology-2025-11-18/ Reuters+1

 


3.台湾の輸出、10月に前年度比+49.7%と16年ぶりの大幅伸長

台湾政府統計局が公表した10月の輸出額は、前年同月比で +49.7% を記録し、過去16年で最大の伸びとなりました。背景には、AIサーバー用途の高性能チップ・装置需要の急増があり、特に米国・中国向けの輸出がけん引。産業構造の転換が加速しており、従来の製造依存型から知識集約技術型へとシフトする兆しが鮮明です。複数のエコノミストは「台湾経済のドライブがAI・半導体を中心とする新局面に入った」と分析。また、今回の輸出急増は台湾有事リスクを抱える中、技術品の安全保障上の位置付けが強まることも示しています。日本企業にとっては、台湾をサプライチェーン上の戦略的拠点と捉えるタイミングとも言え、投資・協業の機会が改めて増える可能性があります。
情報ソースhttps://uanalyze.com.tw/articles/8076838095?utm_source=chatgpt.com Reuters

 


4.台湾「AI島」構想に約NT$1,000億超投資、世界5強を狙う

台湾政府は、次世代ハードウェア技術(シリコンフォトニクス、量子コンピューティング、AIロボティクス)を軸に、「AI島(AI Island)」構想として NT$1000億(約米32億ドル)超 を国家戦略として投じ、2028年までに NT$7兆、2040年には NT$15兆の付加価値創出を目指すことを明かしました。首相・賴清德は、1970年代の「十大建設」の再来として位置付け「台湾を世界計算力トップ5圏に押し上げる」と宣言。ただし、電力インフラの制約が最大の課題で、データセンター拡張に伴う南部送電網や再エネ展開の遅れが懸念されています。日本を含むグローバル企業との協働により、台湾はAI技術・産業拠点として戦略的魅力を高めており、投資・技術連携の観点から要注目です。
情報ソースhttps://www.tomshardware.com/tech-industry/semiconductors/taiwan-announces-3bn-spend-on-ai-island-ambitions?utm_source=chatgpt.com Tom's Hardware

 


5.台湾有事リスク:エネルギー供給網を狙う中国のグレイゾーン戦略

米シンクタンク Foundation for Defense of Democracies は、台湾の液化天然ガス(LNG)および石炭輸入依存が高く、中国による封鎖・サイバー攻撃で輸入量が最大50%削減され得ると警告しました。このような「グレイゾーン」圧力は、単に軍事衝突だけでなく、経済・エネルギー・サプライチェーンを通じた戦略的攪乱を含むものです。報告書では、日米豪欧連携が台湾防衛において不可欠とされ、日本も政策・サプライチェーン対応を見直す必要を指摘しています。台湾有事における産業・エネルギー面の影響は甚大で、企業・投資家・政策立案者は広範な観点から備える必要があります。
情報ソースhttps://www.fdd.org/analysis/2025/11/17/taiwan-energy-risks-china-grey-zone/ AP News

 


6.台湾企業、AIインフラ拡大に伴う電力課題に直面

台湾ではAIインフラの拡大に伴い、電力需要が急増しています。特にAIデータセンターやHPC(高性能演算)施設は大量の電力を必要とし、台湾の送電網・再生可能エネルギー展開が追いついていない現状が浮かび上がっています。政府は電力安定供給なくしてはAI国家戦略の実現は困難との見方を示し、送電設備強化やグリーン電力導入、省エネ技術活用を早急に進める方針です。これは台湾が「AI島」構想を実現する上でのキーボトルネックとなっており、日本企業との連携による効率的電源技術や蓄電ソリューションの必要性も一層高まることが予想されます。
情報ソースhttps://www.tomshardware.com/tech-industry/semiconductors/taiwan-announces-3bn-spend-on-ai-island-ambitions?utm_source=chatgpt.com Tom's Hardware