台湾最新ニュース２０２５年１１月２２日 |
1．台湾、AI国家戦略「AI島構想」に NT$1,000億超を投資
台湾政府は人工知能（AI）を国家戦略の中核に据え、「AI島（AI Island）」構想を正式に発表しました。次世代テクノロジーとして、シリコンフォトニクス、量子コンピューティング、AIロボティクスなどの10分野を重点支援する計画です。今回の構想には NT$1,000億（約32億米ドル） の公的資金を投入し、2028年までに付加価値7兆、2040年には15兆を目指すとしています。一方で、電力インフラの制約が課題となっており、AIデータセンター増設に耐えうる送電網や再生可能エネルギーへの転換が急務です。政府はこの構想を通じて技術大国としての台湾の地位を強化しつつ、産業の高度化と電力安定の両立を図っています。
情報ソース：Tom’s Hardware — “Taiwan to spend $3 billion turning nation into 'AI island'” → https://www.tomshardware.com/tech-industry/semiconductors/taiwan-announces-3bn-spend-on-ai-island-ambitions?utm_source=chatgpt.com
2．台湾、量子コンピュータなどの軍民共用技術輸出を厳格化へ
台湾経済部は、量子コンピュータや高度半導体機器等、軍事・民間両用（デュアルユース）技術の輸出管理を強化する案を発表しました。具体的には18品目を対象にリスト化し、輸出時には事前許可を義務化。60日間のパブリックレビューを経た後、正式な制度が導入される見通しです。この措置は、武器拡散防止と国家安全保障強化の狙いがあるとされ、台湾のハイテク企業には新たな輸出手続きの負担が生じる可能性があります。特に地政学リスクが高まる中での政策転換として、国際企業や投資家にとって重要な変化です。
情報ソース：Reuters — “Taiwan to further tighten export controls for dual-use technology” → https://www.reuters.com/world/asia-pacific/taiwan-further-tighten-export-controls-dual-use-technology-2025-11-18/?utm_source=chatgpt.com
3．台湾、10月輸出が前年比＋49.7％の急成長 AI・半導体需要がけん引
台湾財政部の統計によれば、2025年10月の輸出額は 618億米ドル に達し、前年同月比で ＋49.7％ と驚異的な伸びを示しました。これは16年ぶりの大幅成長で、AIサーバー向け半導体や高性能演算(HPC)用途のチップ需要が爆発した影響が大きいと分析されています。特に米国向け輸出が急増し、電子部品や通信視聴製品が輸出全体の大部分を占めたとの報告もあります。こうした急速な技術製品の輸出拡大は、台湾経済におけるAI／ハイテク依存を象徴すると同時に、供給網の地政学リスクも再び浮上させています。
情報ソース：中央社（CNA） — “10月出口618億美元、年増49.7％” → https://www.cna.com.tw/news/afe/202511070237.aspx
4．台湾、AIの国家インフラ投資で未来産業をけん引
台湾はAIを中心とした国家インフラへの投資を急速に進めており、政府による「AI島」構想はその象徴です。AIハードウエアを支えるため、国内データセンターの整備拡大や、AIの研究開発拠点創設に向けた予算を大胆に割り当てています。これにより、AI人材育成や企業の技術力強化を通じて、台湾の産業構造を従来の製造中心から知識・技術集約型へと転換させる狙いがあります。国内外の投資家は、台湾をAI投資の重要な拠点と捉える機運が高まっており、今後の技術・市場の成長が注目されます。
情報ソース：中央社（CNA） — “百億AI投資方案” → https://www.cna.com.tw/news/aie/202503310152.aspx
5．台湾機械・金属業、米関税と為替の影響で経営圧迫
ジェトロ（日本貿易振興機構）の分析によれば、台湾の機械・金属工業は米国の関税政策と通貨高の影響を受け、中部・台中地域の企業に特に大きな打撃が出ています。台中には工作機械メーカーが集中しており、多くの企業が無給休暇を実施するなど雇用に波及が出ています。一方で、AIや半導体用途向けの機器や部品の輸出が力強さを見せており、ハイテク部門への構造転換が進行中。伝統製造業の苦戦と新興産業へのシフトが並存するなかで、台湾経済の二極化リスクが一段と顕著になっています。
情報ソース：Jetro（ジェトロ） — “台湾で米関税政策の影響は金属・機械工業” → https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/11/46f4f060b5395493.html
6．台湾半導体、生産額22％増へ AIブームで日米分散進む
日本および米国市場にも深く関与する台湾の半導体産業は、AI需要の高まりを追い風に急成長しています。TSMCを中心とした半導体生産額は前期比 22％増 が見込まれ、さらに生産能力を日米へ分散させる動きが進んでいます。同社はAIロボット、ロボティクス分野への技術投資を強化する企業との提携も報じており、台湾半導体の国際展開とリスク分散が戦略的に進んでいることが示唆されます。これにより地政学リスクやサプライチェーンの脆弱性を軽減しつつ、技術革新が一層加速しそうです。
情報ソース：ワイズコンサルティング（Wise Consulting） — “AI需要で台湾の半導体生産額22％増” → https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000282.000059899.html