台湾有事ニュース(2026年1月11日)

  

記事1:立法院、1.25兆元の「防衛特別予算案」を第6度目の封殺

内政の混迷:野党が1.25兆元の国防特別予算を6度目の封殺—「抑止力の空白」懸念強まる

1.国防予算案を巡る与野党の膠着

台湾の立法院(国会)において1月10日、民進党政府が提出した総額1.25兆台湾ドル(約6.2兆円)規模の「強化防衛強靭性および非対称戦力計画採購特別条例」草案が、国民党と民衆党の野党連合により再び否決されました。

これで同予算案の封殺は通算6度目となります。野党側は、予算編成の不透明さと民生予算の優先を理由に審議入りを拒否し続けています。これに対し、民進党の陳培瑜書記長は「中国が演習で圧力を強める中、予算の阻止は国家の防衛線を内部から切り崩す行為だ」と強く非難しました。

2.兵器調達スケジュールへの深刻な影響

国防部の孫立方報道官は、予算の停滞が米国からの「HIMARS(高機動ロケット砲システム)」の追加購入や、国産ミサイルの量産計画に直接的な遅延を招くと警告しました。

特に、昨年末の大規模演習を経て明らかになった「飽和攻撃」への対処能力向上には、この予算執行が不可欠です。国防部高官は「民意の監督は重要だが、議論の場さえ設けないのは国防の放棄に等しい」と述べ、国家の存立を優先した実務的な審議を改めて訴えました。

与野党の対立が、中国の狙う「内部崩壊」のシナリオに利用されるリスクが最大化しています。

まとめ: 立法院での6度目の国防予算封殺は、台湾の安全保障体制に深刻な影を落としています。軍事的脅威が増す中、内政の混乱が抑止力強化のブレーキとなる現状は、中国にとって絶好の「浸透の隙」を与えています。防衛力の刷新を急ぐ軍と、政争を続ける国会の乖離が、2026年の台湾が抱える最大の弱点となっています。

出典: 時報資訊(中国時報報道に基づく)、中央通訊社(CNA) 参考サイトのアドレス: https://tw.stock.yahoo.com/news/%E6%94%BF%E6%B2%BB-1-25%E5%85%86%E5%9C%8B%E9%98%B2%E9%A0%90%E7%AE%97-%E4%BA%94%E5%BA%A6%E9%81%AD%E5%B0%81%E6%AE%BA-010913967.html


記事2:国防部、中国軍機延べ23機を確認—「気球」の監視も継続

 執拗な威圧:過去24時間で中国軍機23機、艦船7隻を確認—「気球」による偵察常態化に警戒

1.演習後の「低強度・高頻度」の揺さぶり

台湾国防部は1月11日、同日午前6時までの24時間に台湾周辺で中国の軍用機延べ23機、軍艦6隻、公船1隻を確認したと発表しました。

探知された軍用機の多くが台湾海峡の中間線を越え、南西および北部の防空識別圏(ADIZ)に侵入しました。

大規模演習「正義使命」が終了した後も、中国はこうした中規模の活動を毎日欠かさず継続しており、台湾軍に24時間体制の対応を強いることで、人的・物的なリソースを摩痺させる「グレーゾーン戦術」を徹底しています。

2.不審な気球による「静かなる情報収集」

今回の活動でも、台湾北部の空域を横切る中国の気球が確認されました。

国防部は、これらの気球が気象観測を名目に、台湾周辺の電磁波情報や気流データを収集し、将来のドローン攻撃やミサイル軌道の精密化に役立てていると分析しています。

国防部は、これらの飛行物体を全行程において統合監視網で捕捉しており、必要に応じて撃墜を含めた対応を検討する方針です。物理的な戦闘機による威圧と、気球やドローンを用いた「静かなる偵察」の組み合わせは、2026年の台湾防衛における日常的な試練となっています。

まとめ: 国防部は中国軍機23機と艦船7隻の接近を監視し、特に「気球」を用いた偵察工作の常態化に警戒を強めています。軍事的な緊張を意図的に維持し、台湾の防衛資源を削ろうとする中国の狙いに対し、台湾軍は情報の透明化と効率的な即応能力を武器に、主権の境界線を死守する姿勢を堅持しています。

出典: フォーカス台湾(中央通訊社)、青年日報 参考サイトのアドレス: https://japan.focustaiwan.tw/cross-strait/202601090001


記事3:外交部、石平議員の訪台を称賛—「主権の独立」を世界に証明

 外交の勝利:中国から制裁受ける石平議員が訪台を完了—「入国できた事実」が独立国家の証明

1.中国の制裁を無効化する「自由な往来」

台湾外交部(外務省)は1月11日、日本維新の会の石平(せき・へい)参院議員が1月6日から10日まで行った台湾訪問を「台湾が独立した主権国家であることを世界に示す、極めて説得力のある事例となった」と高く評価しました。

中国政府から入国禁止処分を受けている石氏が、台湾の入管当局の審査を経て正式に入国し、政府要人と会談できたという事実は、台湾の主権が中国の管轄外にあることを物理的に証明したものです。

この事態に対し、中国外務省は不快感を示していますが、外交部は「他国との正常な往来への干渉は不当である」と一蹴しました。

2.日台「防衛・経済」連携の深化

石氏は滞在中、行政院の卓栄泰院長(首相)らと会談し、有事の際の日台連携について踏み込んだ議論を行いました。

特に「台湾有事は日本有事」という認識をいかに実務的な協力(避難支援や情報共有)に落とし込むかが議論の焦点となりました。外交部は、こうした中国の制裁を恐れない海外議員の訪台が、台湾の国際的な孤立化を防ぐ「外交的抑止力」の柱になると確信しています。

2026年、台湾は「民主主義の価値観」を共有するパートナーとの絆を公然と誇示することで、中国の「一つの中国」原則を空文化させる戦略を継続する方針です。

まとめ: 外交部は石平議員の訪台を、中国の外交的威圧に対する「事実による反論」として歓迎しました。石氏が台湾の主権を自らの身を以て証明したことは、国際社会における台湾の正当性を高める成果となりました。日台の政治的連帯が、中国による一方的な現状変更を阻む目に見えない防波堤として機能しています。

出典: 風傳媒(Storm Media)、中央通訊社(CNA) 参考サイトのアドレス: https://japan.storm.mg/articles/1093249


記事4:経済部、半導体上流工程の「要塞化」を加速—2026年戦略を公表

経済の盾:経済部、半導体設備・材料の国内自給率向上へ—「非紅サプライチェーン」の核に

1.「封鎖」を生き抜くための産業自立

台湾経済部(経済省)は1月11日、2026年の産業戦略として、半導体サプライチェーンの上流工程(製造装置および特殊材料)の国内生産を大幅に強化する計画を公表しました。

現在、露光装置や特殊ガスの一部は日本や米国、欧州に依存していますが、有事の封鎖下でこれらが途絶することを見越し、国内メーカーへの補助金を増額。重要部品の「台湾内生産」を加速させます。これは、物理的な孤立状態に陥っても、世界のAI経済を支えるチップ生産を一定期間継続できる「経済的要塞化」を目指すものです。

2.国際連携によるリスク分散

経済部は、自給率向上と並行して、海外の主要設備メーカー(ASMLや東京エレクトロン等)の台湾内でのR&D拠点拡充を強く要請しています。これにより、台湾を単なる「工場」ではなく、世界の半導体インフラが集中する「安全なハブ」へと進化させる戦略です。

郭智輝経済部長は「台湾の産業が強靭であればあるほど、世界は台湾を救わざるを得なくなる」と述べ、地政学的リスクを逆に「他国との経済的運命共同体」を深めるレバレッジに変える考えを示しました。この経済的安全保障の構築が、有事を防ぐための非軍事的な最強の抑止力となっています。

まとめ: 経済部による半導体上流工程の強化は、台湾の「シリコンシールド」をより物理的なものへと転換させる動きです。封鎖下でも生産を維持できる自立能力は、中国の「物流遮断」という脅しを無効化します。2026年、台湾は経済の強靭性を武器に、世界から不可欠とされる地位をさらに盤石にする方針です。

出典: 経済日報、JETRO(地域・分析レポート引用) 参考サイトのアドレス: https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2021/dbd0fa7223039355.html


記事5:内政部、「ウクライナ直前の兆候」と警鐘—中国スパイ事件が3倍増

内部の浸透:内政部「中国スパイ事件が3倍に急増」—ウクライナ侵攻前の工作激化と酷似

1.「内なる崩壊」を狙う静かなる攻撃

台湾内政部は1月10日の定例会見において、昨年末から現在までに摘発された中国スパイ事件(浸透工作)が、前年同期比で約3倍に急増しているとの衝撃的なデータを公表しました。

馬士元・政務次官は、軍関係者だけでなく、政界、メディア、そして地方の民間組織に至るまで、中国の資金や指示を受けた工作活動が深く及んでいる実態を指摘。「この状況は、ロシアがウクライナに本格侵攻する直前の、情報の錯乱や内部攪乱の動きと酷似している」と、空前の危機感を表明しました。

2.「全社会防衛」による情報の要塞化

内政部は、こうした「内なる脅威」に対抗するため、国家安全法の運用を厳格化し、公職者の対中接触を完全に許可制とするなどの法整備を急いでいます。しかし、工作活動はSNSでの偽情報拡散や、市民団体を通じた「平和を装った懐柔」など多角化しており、法的規制だけでは限界があるのも事実です。

内政部は、国民一人ひとりが「工作員の心理戦」に気づくためのメディアリテラシー教育を全国のコミュニティで展開し、社会全体のセキュリティ意識を底上げすることで、外部からの軍事侵攻に呼応する内部の混乱を未然に防ぐ方針です。

まとめ: 内政部による中国スパイ事件の激増報告は、台湾が軍事的脅威と並んで「内なる戦い」の最中にあることを物語っています。ウクライナの教訓に基づき、内部の裏切りや工作を封じることが、国家の生存を左右する極めて重要な防衛線です。2026年、台湾は「折れない社会」を構築するため、情報空間での防御に全力を挙げています。

出典: 聯合報、 参考サイトのアドレス: https://jt-consulting.jp/%E5%8F%B0%E6%B9%BE%E6%9C%89%E4%BA%8B%E6%9C%80%E6%96%B0%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%EF%BC%92%EF%BC%90%EF%BC%92%EF%BC%96%E5%B9%B4%EF%BC%91%E6%9C%8月%EF%BC%98%E6%97%A5.html


記事6:頼総統、「全社会防衛強靭性委員会」の活動加速を指示

国家のレジリエンス:頼総統、防衛強靭化委員会の具体策を承認—停電や通信遮断に負けない社会へ

1.軍民一体の「不沈の社会基盤」構築

頼清徳総統は1月11日、「全社会防衛強靭性委員会」の会合において、有事における社会機能の維持を目的とした一連の戦略を承認しました。

この委員会は、気候変動や健康福祉、そして国防を横断的に扱う頼政権の目玉施策であり、特に「通信途絶時のバックアップ(低軌道衛星網)」「重要物資の分散備蓄」「民間人の救急救護スキル」の3点を最優先課題に据えています。

頼総統は「有事において軍が戦うためには、社会が安定し、国民がパニックに陥らないことが絶対条件である」と述べ、軍民の連携を実務レベルで深化させるよう指示しました。

2.「政治的ボイコット」に屈しない姿勢

立法院での予算審議が停滞する中、頼総統はこの委員会の活動を通じて、予算に依存しすぎない「行政資源の最適化」と「民間リソースの活用」による強靭化を模索しています。

具体的には、ボランティア組織の教育プログラム刷新や、大手企業によるインフラ防護の強化が含まれます。頼総統は「野党のボイコットがあろうとも、国民の命を守る備えを一秒も止めることはできない」と断言。外部からの軍事的威圧と、内部の政治的混乱という二重の困難に直面しながらも、台湾の生存を担保するための「社会的な防壁」を2026年も着実に構築していく方針です。

まとめ: 頼総統による「全社会防衛強靭性」の強化指示は、予算停滞という内政上の困難を乗り越え、実務的に国家を守るための執念の表れです。社会の強靭性そのものを中国に対する抑止力として位置づけ、国民一人ひとりが防衛の一翼を担う体制を構築。2026年、台湾は「折れない国家」を体現するための具体的行動を加速させています。

出典: 中央通訊社(CNA)、自由時報 参考サイトのアドレス: https://www.koryu.or.jp/Portals/0/images/publications/magazine/2024/10/2410_02ishihara.pdf