2025年12月28日の台湾国内ニュース |
1. 【地震】東部海域でM7.0の強震、台北など広範囲で震度4を観測
深夜の揺れ、北台湾を中心に警戒続く
27日午後11時すぎ、台湾東部海域(宜蘭沖)を震源とするマグニチュード(M)7.0の強い地震が発生しました。中央気象署の発表によると、震源の深さは約100キロメートルと比較的深かったものの、揺れは台湾全土に及び、台北市、新北市、台中市など広範囲で最大震度4を観測しました。深夜の発生であったため、多くの市民が揺れに驚き屋外へ避難する姿が見られましたが、幸いにも津波の心配はないとのことです。
交通インフラの復旧と安全確認
地震直後、台北メトロ(MRT)や台湾高速鉄道(高鉄)は安全確認のため一時停止や徐行運転を行いましたが、28日朝までに全線で正常運行に戻っています。一方で、新北市五股区の小学校で漏水確認中の職員が転落死する事故が発生するなど、二次被害も報告されています。気象署は、今後1週間以内にM5.5から6.0程度の余震が発生する可能性があるとして、特に地盤の緩んでいる山間部などでの警戒を呼びかけています。
まとめ
今回のM7.0の強震は、2024年4月の花蓮地震以来の規模となりました。インフラへの大きなダメージは回避されましたが、余震への警戒と防災意識の再確認が求められています。
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2. 【政治】台北・上海「双城論壇」、林副市長が分科会で実務交流を促進
都市の強靭化とスマート医療で協力
上海を訪問中の台北市・林奕華副市長は28日、上海市側と「スマート医療」および「持続可能な都市」をテーマとした分科会に出席しました。前日の地震を受け、林副市長は「都市の防災とレジリエンス(強靭性)の向上は両都市共通の課題である」と述べ、台北市の地震観測システムや迅速な情報発信のノウハウを共有。上海側からは、AIを活用した高齢者向け遠隔医療の最新事例が紹介されました。
低迷する両岸関係における「実務的な窓口」
頼清徳政権下で中台の公式対話が途絶える中、地方自治体レベルの交流であるこのフォーラムは、実務的な意思疎通を維持する唯一の公的な場となっています。中立的な外交専門家は、蒋万安市長が不在の中、林副市長が実務重視の姿勢を貫くことで、政治的対立を避けつつ市民生活に直結する成果を得ようとしていると分析しています。28日午後には上海市長との会談も予定されており、さらなる観光交流の拡大が期待されます。
まとめ
政治的緊張が続く中での「双城論壇」は、都市運営という共通の課題を通じて対話を維持する、台湾にとって重要な外交的バッファー(緩衝材)となっています。
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3. 【経済】台湾・半導体大手各社、来年1月の「CES 2026」に最大規模で出展へ
AI wave(AIの波)を牽引する台湾の存在感
世界最大の家電・IT見本市「CES 2026」(ラスベガス、1月6日開幕)を前に、台湾の経済部と各ハイテク企業は28日、出展の最終準備状況を公開しました。TSMC、ASUS、MSIなどの主要企業に加え、AIスタートアップ数十社が「台湾パビリオン」を形成。今回は、NVIDIAやAMD、Intelといった世界の巨頭たちが台湾メーカーの技術を基盤とした次世代AI PCやAIサーバーを発表する予定であり、台湾は「AI産業の心臓部」として世界から注目を集めています。
国家戦略としての「グローバル展示会支援」
台湾政府は、CESへの出展を単なる商談の場ではなく、台湾の「クリーンなサプライチェーン」と「信頼できる技術パートナー」としてのブランドを確立する国家戦略の一環と位置づけています。中立的な経済アナリストは、米中の技術覇権争いが続く中、台湾が国際的な舞台でその不可欠な役割を誇示することは、経済安全保障を高める強力な手段になると指摘しています。
まとめ
CES 2026は、台湾のAI技術が世界のデジタル変革をいかに支えているかを証明する場となり、2026年の台湾経済を占う重要な試金石となります。
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4. 【日本関連】石垣~基隆フェリー航路、就航延期も「運賃1万円から」の格安プラン検討
閑散期の需要喚起へ、新たな旅の提案
台湾・石垣間の定期航路再開を目指すプロジェクトにおいて、就航時期が来年1月に再延期されることが27日までに明らかになりました。しかし、関係当局によれば、冬の閑散期対策として「片道約1万円(2000台湾元強)」という戦略的な低価格運賃の導入が検討されています。これは、航空券の価格高騰が続く中、安価な移動手段を提供することで、日台の若者や家族連れの相互訪問を促進する狙いがあります。
観光と物流の「海の道」を再構築
この航路は、日本の沖縄・石垣島と台湾北部の基隆を結ぶ重要なルートです。中立的な観光専門家は、単なる移動手段としてだけでなく、豪華客船とは異なる「生活に密着した定期便」として定着すれば、石垣産の農水産物の台湾輸出や、基隆からの日用品供給など、地域経済の活性化に大きく寄与すると評価しています。就航後は、最短約8時間で両国を結び、日台の物理的・心理的距離をさらに縮めることになります。
まとめ
就航延期は残念なニュースですが、1万円台という画期的な運賃設定の検討は、日台間の交流を「日常的」なものに変える大きな可能性を秘めています。
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5. 【教育】雪覇国家公園に20cmの積雪、高山での「雪季登山教育」が本格化
銀世界に包まれる3000メートル級の高峰
強い寒波の影響で、台湾中部の雪覇国家公園内にある3000メートル以上の高山では、28日朝までに20センチを超える積雪が観測されました。雪山主峰や桃山などは一面の銀世界となり、登山愛好家にはたまらない景色となっています。これを受け、国家公園管理処(雪管処)は、雪山を訪れる登山者に対し、アイゼンやピッケルといった「雪山三種の神器」の携行と、雪地歩行の経験を必須とする厳しい指導を開始しました。
「安全登山」を学ぶ実践的な教材として
台湾は亜熱帯に位置しますが、冬季の高山は日本アルプスに匹敵する厳しい環境になります。中立的な教育者は、この時期の山を「自然の厳しさと美しさを学ぶ最高の教室」と位置づけ、十分な準備と知識の重要性を若手登山者に伝えています。雪管処は専用アプリを通じて、リアルタイムの雪況や気温情報を提供し、デジタル技術を活用した安全なレジャーの啓発に努めています。
まとめ
高山の積雪は、台湾の自然の多様性を示すと同時に、厳しい環境に挑むための「準備と教育」の大切さを教える機会となっています。
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6. 【観光・グルメ】お正月は台湾のパン屋へ!福を呼ぶ「ガレット・デ・ロワ」ブーム
台湾人シェフが競う「フランス伝統菓子」の新解釈
今、台湾のベーカリー業界で大きな話題となっているのが、新年を祝うフランスの伝統菓子「ガレット・デ・ロワ」です。かつては一部の洋菓子店のみで見られたこのお菓子ですが、最近では台湾の優秀なパン職人たちが世界大会で活躍している影響もあり、台北や台中の人気店で行列ができるほどのブームとなっています。特に、台湾産のタロイモやドライパイナップルを練り込んだ「台湾流アレンジ」のガレット・デ・ロワは、日本人観光客にも新鮮な驚きを与えています。
フェーヴ(陶器の人形)に込められた台湾の願い
中に入っている小さな人形「フェーヴ」を引き当てた人は1年幸せになれるという文化も、台湾の「縁起物好き」な国民性と合致し、広く親しまれています。最近では、台湾の神様(媽祖様など)をデザインした独自のフェーヴを入れる店も登場。年末年始に台湾を訪れる際は、お茶と一緒にこの贅沢なパイ菓子を楽しんでみてはいかがでしょうか。焼き立ての香ばしいバターの香りと、台湾の職人技が融合した逸品は、最高のお年玉になります。
まとめ
フランスの伝統と台湾の創意工夫が融合した「ガレット・デ・ロワ」ブームは、台湾の食文化がいかに国際的で、かつ遊び心に溢れているかを象徴しています。
